忍び寄りし空握る衝動
部室から聞こえる怪奇音
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テールへ視線を送り、試練に挑むかのような顔つきで黙っている。
瀧馬は無言で軽く頭を振り、目線をそらして壁の方へ向けた。
誤解の無いように言っておくが、別にツインテールが死ぬほど好きでも問題は無い。ただ彼はツインテールが好き過ぎるあまりか、ちょっとばかしツインテールに結びつけ過ぎなのが問題なのだ。
「……そうですか……ええ、わかりました」
含みのある声で会長は答え、その返しを受けて総二は少しばかり不安げに問い掛ける。
「あの、活動内容に何か問題が?」
「いえ大丈夫、問題ありませんわ。寧ろ、ツインテールを研究するという事は、ツインテイルズの応援にもつながるでしょうし」
それを打算に入れていたのか、総二だけでなく愛香も罪悪感のある顔に変った。学園を上げて応援しているのだから、まず一も二もなく取り下げになる可能性は無いと踏んでいたのだろう。尤も、それを私情の為に組み込むのは、やはり苦しい様だ。
そこで話も終わり正式に設立が決まり、取りあえず会長が出ていくのに合わせて自分も出て行こうと瀧馬が一歩踏み出した時、会長は不意に総二の右腕を見て呟いた。
「あら? ……観束君、校内で派手なアクセサリーを付けるのは禁止されている筈でしょう? 部室でも決まりは守りませんと」
「えっ?」
「テイルレッドデザインの腕輪ですわね……最近その手の物が増えてきましたのね」
「!?」
総二と愛香、そしてトゥアールは心底驚愕したという顔をし、会長の発言をおかしく思ったか数歩下がった瀧馬は、バレないよう小声でラースへ話しかける。
「……オイ、一般人にはあの腕輪は見えないんだろ?」
『その筈だがナァ……何で見えてんのカネ』
通常、総二達に付けている変身する為のアイテムでありテイルギアの待機形態でもある腕輪……テイルブレスは、認識阻害技術により見えない筈なのだ。
それは、ラースから教えられた事で瀧馬も知ってはいたが、まさか関係ない会長にまで見えるとは到底思わなかったのである。
恐らく、総二達も同じ心境だろう。
「……考えられる理由はあるか?」
『う〜ム……俺ぁ科学者じゃねェシ、よく知らんから詳しい事は言えねぇケド、ツインテール属性がかなり高いからか、もしくは壊れてんのかのどっちかダロ』
「……妥当だな」
見ると念の為なのか、手遅れながら総二が右腕を後ろに隠す前に、愛香も既に腕を後ろに回していた。
後ろに近い位置に居る瀧馬からは全体がハッキリ見えるので、前からは見ても分からない。
「お嬢様、そろそろの時間でございます」
「わかりましたわ。それではみなさん、これからも励んでくだ
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