忍び寄りし空握る衝動
部室から聞こえる怪奇音
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ルは目論見が上手くいかなかったかおもしろくなさそうな顔をしていた。
と、その時、扉からノックが聞こえてきた。
「生徒会長、神堂慧理那です。入ってもよろしくて?」
「えっ!? ちょっ!? 嘘!?」
「……ツインテールの気配がって、マジモンかよ」
「聞いてたのか……まあ、コレで俺がどれだけ―――」
「ああ、どれだけ変か分かった」
「そう、変なのか分かった……えええっ!?」
「アホな漫才してないで! あ、ちょっとまっててくださーい!」
辺りを騒がしそうに見まわす総二達。大方見られてはいけない物を隠す為に焦っているのだろうが、しかしここにも一人瀧馬という、彼等基準でいえば一般人がいるのに、何故に彼には構わないのか謎である。
「トゥアール何か隠さないといけない物は!?」
「ここにあるこれだけです!」
そういってトゥアール何の含みも無い真顔で愛香を指差し、直後に愛香から突進エルボーを喰らってピンボールの如く壁面から壁面へ跳ねまわった。
なに真面目な時にアホな事やっているのかと瀧馬は呆れるも、冗談はさておき隠すべき物は無かったのか、総二が扉へ一歩近づいて向こうの会長へと声を掛ける。
一応騒ぎは収まったか、愛香とトゥアールも既に待機していた。
「失礼しますわ」
そうして会長が、ボディガードの代わりにメイドを引き連れ入ってきた途端、総二はまるで部屋の中の空気が変わったが如く、表情を変えどこぞの王国の姫でも見た様な物へと変える。
恐怖でも感じたか何故かブルリと震えた彼だったが、瀧馬は前にもいった通り生徒会長としか見ておらず、また信仰心かよ勘弁してくれといった表情を総二へ向けていた。
「……? あの、そちらの方は? もしや……編入手続きをされた女子生徒さんでしょうか?」
「あ、はい! 海外から越してきた俺の親戚なんですが、編入前にどうしても学校を見たいと言ったので、その案内にと」
「なるほど、そうだったんですか。編入生さん、どうぞこの学園を隅々まで見て回って下さい、きっと気に入ると思いますわ」
会長の発言に迂闊な事を返さないためなのか、トゥアールは無言で二度うなずいた。
流石に咎められるかもしれないことを覚悟していたか、総二は兎も角愛香とトゥアールの表情は厳しかったものの、会長直々の歓迎の言葉で少し緩む。
次に会長は手に持っていた資料に目を通し、笑顔が一転し厳しい物になったのを見て、瀧馬はやはり幼子の様な形でも会長に選ばれただけはあると、素直に感心した。
「部活動新設の申請の書類を見て気になりましたもので、直接確かめた上で許可を出すべきと思い、こうして窺った次第
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