暁 〜小説投稿サイト〜
寄生捕喰者とツインテール
忍び寄りし空握る衝動
部室から聞こえる怪奇音
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「予想はしていたが、やっぱりあんな感じか」

『あんな感じダナ』

「……これから誰が来てもそうなんだろうか……」

『じゃねーノ? 変態じゃなくても変人とカナ』



 傍から見れば誰も居ないのに会話している彼も十分に怪しいが、それ以上につながらない携帯に話しかけたりする異常者がこの学校には多いので、実のところ相対的に目立たない。

 ……周りに変人が多過ぎるだけなのだ。


 再び集中すると、少しとんだか繋がりの掴めない話し合いの跡、総二が何かを頼もうとして何故かトゥアールが脱ぐと答えて愛華に殴られる音を聞いた。



『即行だっタナ、さっきの変態発言』

「……元気な奴らだな……」

『“アッチ” もって意味でカァ?』

「……その発言が普通に思えてきた俺もおかしいんだろうか」

『ア〜……イヤイヤ、あっちがパンチ利き過ぎなノヨ』



 何をやっているんだと溜息をつき、ラースの返しに下ネタが珍しく加わっていたのも、瀧馬はインパクト不足なのか流し気味に対応した。


 そして、もう一度聴力を高めた、その瞬間。




《うりせれけっへ》
《みちょもーんこりょもーん》
《ぱろがっぷよほふー》
《らつどじょじょぼびん》
《わーろーえー》


「うぐっ!?」
『ブホッ!?』



 聞こえてきたいくら説明しても幻聴を疑われ、どう書き起こそうとも音感を疑われる怪音に、瀧馬は軽くズッコケてラースは噴き出した。
 多少籠っていたので部室内から聞こえているのだろうが、なら一体全体何が部室の中で起っているのだろうか。

 しばらくすると、愛香も珍妙奇妙な音をしてきし、開けようか開けまいかと迷った挙句開けない事に決め、結果怪奇音は数分間も響き続けた。



「……脳が曲がったかもしれねえ」

『安心しろ相棒。今の相棒には人間の脳はねえカラ』

「逆に安心できねえよ、と言うか俺の残っている肉体の一割って何処だよ」

『血管の一部』

「……聞きたくなかった……」



 思わぬところで自分の体の秘密を知り、瀧馬は人知れず項垂れた。その項垂れようも、先程の総二達の会話の時に比べれば、まだまだ軽い方ではあったが。

 複雑怪奇な音を頭から追い出す為に暫く精神統一した後で、瀧馬がツインテール部の方へ耳を傾けると、今度は高笑いが聞こえてきた。




「は〜っはっは!! 引っかかってくれやがりましたね!? 好奇心は猫を殺す! まあ、この場合は猫じゃあ無くて獅子か虎かでしょうけどね!」
「……何よコレ、椅子から虎バサミみたいな……」
「ふっふっふっ、これぞ攻撃では無く拘束に重きを置いた作品、アンチアイカシステム第二号機、名付
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