暁 〜小説投稿サイト〜
寄生捕喰者とツインテール
忍び寄りし空握る衝動
部室から聞こえる怪奇音
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言う字を見ただけで、その言葉を口にしただけで何故に心地よさそうにしているのか、それはかなり大き過ぎる疑問であり、理解し難くて仕方が無い。

 テイルレッドとなってフッキレてはいけない方向へフッキレたか、もう本格的に変態化彼を止める術はなさそうだ。

 常識人であった頃の彼にお悔やみ申し上げる。



「よし! この素晴らしい言葉と素晴らしい髪形を目一杯盛り立てていくぞっ!!」



 出来れば隅っこの方でじっとしてて欲しい言葉を声高らかに言いながら、総二は部室を開けて中に入っていく。


 そして―――――






『……デ、これからどう判断すンダ、相棒』

「アイツも変人決定、常識人なんて思った俺が阿呆だった」

『ダナ、妥当な判断ダゼ!』



 ……部室棟の近くで、そんな彼の言葉を遠くから聞く、背の高い少年がいた。


 彼が先に言ったとある人物、瀧馬である。

 とある事故で “ラース” という人外と融合し怪物化した彼は、この様に集中すれば遠くの言葉も聞く事が出来るのだ。恐らく先程までの彼の一挙一動に、もれなく突っ込みを入れていたに違いない。


 何故こんな所で聞いているのかと言うと、瀧馬もラースもぶっちゃけ暇なのだ。


 家に帰ってもテイルレッドを愛でるニュースや時々彼の変身するモンスター少女・グラトニーのニュースばかり流れるので、彼等にとってはつまらない事この上ない。

 なら良い暇つぶしは無いかと瀧馬がラースに問いかけたところ、折角なのでツインテイルズである彼等の行動を探ってみてはどうだろうかと、ニヤ〜ッとした感じの声で言ってきた。

 他に案も無いので、瀧馬は渋々それに従がったと言う訳である。



 聴力を集中すると、再び何やら争う声が聞こえてきた。



「総二様! この野生動物に何か言ってやってくださいっ!! いい加減にしないと国立公園に送り返すぞと!!」
「ならあんたが適任でしょうが万年発情痴女! 何はだけてんのよ、一体何しようとしたのよあんたは!」
「そりゃ勿論、総二様が開けた瞬間にブラとパンツがチラ見えする角度で立って、さも恥ずかしげな動作と表情をする為ですよ!!」
「やっぱりあんたが国立公園に行きなさいよこのケダモノ!!」




「……どっちもどっちだろうが」
『言い得て妙ダナ、でもその通りダ』




 聞こえてきたのは総二の幼馴染で、同じく地球の平和を守るツインテイルズに一員テイルブルー・愛香と、恐らくはトゥアールと言う少し前にも見た銀髪の少女のモノだった。

 今のやり取りで愛香だけでなく、トゥアールがどんなひとがらをしているかを知り、瀧馬は顔を押さえて項垂れた。




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