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横浜事変-the mixing black&white-
結末は、黒幕なしでは語れない
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子は見えないが、赤島は元々右手を怪我しているし、宮条も完全な状態ではない。自分を合わせ、生存しているのは5、6人程度だった。同士討ちの蓋然性について、赤島は少しでも懸念していただろうか。少なくともチームCにそういった話題は生まれていなかった。

 そのとき法城は、自分の足がガクガク震えている事に気付いた。手で押さえても震えは止まらない。それどころか歯の根が合わなくなっている。

 ――ああ……俺は今まで人をちゃんと殺してなかったんだ。だから『本番』でこんなに震えてるんだ。

 それでも彼は目を下に落とさなかった。まだこの殺し合いは終わらない。

 少し先にいる赤島らチームBのさらに後方。街灯の光がギリギリ入らないというところに一つの集団がうっすらと浮かび上がっていた。彼らはこちらに歩いてきて、やがてその姿が露わになる。

 一つは黒を基調にした服装で整えた男性グループ。もう一方は白一色と黒一色の特攻服に身を包んだ男女混合グループ。

 「ヘヴンヴォイス……裂綿隊……」

 法城は寒さに耐えながら言葉を出しているようにか細い声で固有名詞を呟いた。するとそれを聞いた大河内が快活でどろどろした声で言った。

 「その通り。彼らは俺の計画のアシスタントさ。殺し屋統括情報局?笑わせるなよ。そんな古臭い組織なんて横浜にはいらない。この街の裏は新たな黒い光を求めてるんだよ、法城君」

 「大河内……お前」

 「お前らが滅びるのはもう必然的なんだ。大人しく消えろよ、殺し屋統括情報局」
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