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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第二十二話 心、晴れ、空翔けて
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駆けてくる。白い雪の中で際立つダークスーツ。

 パパっ……って、ひゃあ!?

「きゃ!?」『ヴィクトル力持ちー♪』

 すれちがいざまにパパに手首を引っぱられた。エリーはパパのもう片方の腕が抱えてる。さ、さすがお姉ちゃんを常日頃から抱っこしてきたパパ……なんて考えてる内に先に行ってたみんなと合流っ。

「逃げるぞ!」

 イバルのかけ声。みんなして走った。


 何とか門を通ってモン高原に出た。
 往路で使った雪ゾリがないのはイタイけど、宿まで戻ってたら捕まっちゃうかもしれない。うう、雪中行軍ヤだけどしょーがない!

「! 止まれ!」

 ひゃっ。パパ、どうしたの?

 空を見上げる。あの点々……ワイバーン! それも4頭もいる。どうしよう。今、火力型のアルヴィンが抜けてるのに、ワイバーン相手にしたら負けちゃうよ。

 って、心配したのに、そのワイバーンたちも、乗り手の子も攻撃して来なかった。

 ワイバーン4頭の内、3頭は乗り手がいなくて、一頭だけに、メイスが乗ってた。

 メイスがワイバーンを降りてわたしたちの前に立った。今日のメイスはア・ジュール軍の兵装。顔は相変らず兜で隠してて分かんない。でも、わたしは知ってる。兜の下にある、金茶の髪と蒼い瞳を。

「分かってると思うけど、アルは来ないよ」
「ア・ジュール側に付いたのか」
「付いてない。アルは、彼にとって譲れないことのために走り出しただけ」

 ? ?? みんなしてハテナマーク。もっと分かりやすいコトバ使ってほしいよ。フェイに言えたギリじゃないけどさ。

「たったさっき、ハ・ミルがラシュガル軍に侵攻されたって報せが入った。ガイアスはア・ジュールの全部族に通達を出して、ラ・シュガルと全面戦争を始める。その前にラ・シュガルに戻るには、コレ、必要でしょ?」

 メイスが乗り手のいないワイバーンを示してみせた。で、でも、このワイバーン、お城にいた子たちだよね。勝手に持ち出したら、いくらア・ジュール兵でも怒られるんじゃ。ううん、敵国のわたしたちに渡すんなら、立派にハンギャクコーイなんじゃ。〈ここ〉のガイアスがそんなの許すわけないよ!

「ね、ねえ、あの…っ」
「それともう一つ」

 手の平で言うのを止められた。――分かってる。この子は分かってやってるんだ。

「『指揮者(コンダクター)』イルベルト。アナタにアルからメッセージを預かった。『ファイザバード沼野。量産型増霊極(ブースター)。これだけ言えばア・ジュール軍の作戦は読めるだろ?』――以上よ」
「ファイザバード沼野と量産型増霊極(ブースター)……?」

 ローエンがアゴヒゲを撫でながら考え始める。

「ワタシのオツカイはここまで。健闘を祈ってる。じゃあね、革
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