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横浜事変-the mixing black&white-
悪意が装飾された場所で、操り人形は華麗に踊り狂う
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置き場だろうか、マンションの前に作られたそれを見て――彼は歯噛みした。
「……お前ら、顔を出すな」
「え?」
ケンジの戸惑った声に、赤島は自分でも不思議なくらい真剣な声で今見た状況を報告した。
「あっちに人がいる。殺し屋のくせに間抜けな隠れ方だがな」
「どうすればいいんですか?」
「迂回して回り込みたいんだが、あいにくそこまでするだけの時間と余裕はない。工藤、ここから狙えるか?」
ケンジのさらに後ろを見る。チームBは元より無口な人間が半分の後方支援の集団であり、工藤もその一人だった。それでも組織の中でトップの狙撃能力を誇る。今回の任務でチームCに彼を委譲しなくて良かったと赤島は心の底から安堵の息を吐いた。
工藤は顔を俯けたままボソボソと口を動かした。
「……行け、ます」
「よし、頼んだ。一人で良い。俺らはそれから突撃だ。防弾チョッキは着てるな」
赤島の言葉に頷いて、工藤は背負っていたケースから狙撃銃を取り出した。丁寧な手つきで準備を進めるのを見守る中、彼は小さい声で『暗視用スコープは大河内が点検に出して使えない』という旨を伝えた。
やがて工藤が「出来ま、す」とカタコトに呟いたのを確認し、赤島はケンジ達を見やる。そちらも準備は整っていた。
「行動開始」
その言葉と同時に、工藤はトリガーを力強く引いた。サプレッサーにより銃声は半減されたが、それでも街中での発砲は夜の街に響いた。そんな中、工藤の狙撃が命中し、薄明かりの街路に赤色が飛び散ったのを赤島達は視認していた。
赤島が先導して走り、その後ろをケンジ、宮条と続く。一方で攻撃された側は、卓越した動きで道の先に隠れ、少しの猶予もなく威嚇射撃を繰り出してきた。
赤島はそれを長年の勘で躱し、後方の仲間に手でストップを命じた。これは長期戦になるな、と赤島は心中で愚痴った。
彼らは知らない。自分達が戦っている相手の正体は仲間だという事を。赤島も『敵かどうか確認する』という手段については浮かばなかったのだろう。今この区域には二つの敵勢力が入り混じっているのだから無理もない話だ。工藤が暗視用スコープを所持していれば事態は好転していた可能性が高い。
しかし現実はどんどん破滅への道を歩み、彼らは意味のない殺し合いに命を賭けていく事となる。
そんな泥沼の状況を実際に見た黒幕が心中でほくそ笑んでいるとは思いもせずに。
そのとき大河内は、すぐ近くにいた仲間の一人が頭から血を噴き出して目の前を真横に飛んでいくのを見た。まるで映画のコマ一つ一つを見ているかのような緩慢さが彼の脳を占拠するが、悠長に構えてはいられなかった。
彼らもプロなので、普段がどれだけ怠けた生活だろうが、仕事となれ
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