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横浜事変-the mixing black&white-
悪意が装飾された場所で、操り人形は華麗に踊り狂う
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達を行かせたのは失敗だったか?」
「どうでしょう。しかし残痕からして、あれは我々が取り扱う種類とは別物です。つまりここに同志は来ていません」
「となると別口か。もっと早く連絡をくれればいいものを……」
少女は苛立ち混じれにそう言うと、スカートのポケットから携帯電話を取り出し、大通りに向かって歩き出した。その後ろを巨大な体躯の男も付いて行く。
「社長、どちらへ?」
「この街の裏を牛耳る奴に電話を掛ける。というか、あっちから私に電話を掛けてきたわけだしな。これで無視するようなら社が所有する銃火器でこの国を焼け野原にしてやる」
物騒な事を口走る彼女だが、それが冗談だというのは分かっている。この少女は19歳にしてロシアを根城に活動する武器商社の社長なのだ。側近として働く大男は彼女の類稀なる能力をいつも間近で見ている。だからこそ、彼女が無駄な事をしないのを理解していた。
「『丸め込めるものなら取り込んでしまおう』。それが私のモットーだからな。やれる範囲でならいくらでも手は打つつもりだよ」
異国からの来訪者は、街の裏側に爪を立てて不協和音を奏で始める。その先に炙れ出てきた未知なる敵の情報を得るために。そして、行方の知れぬ仲間を探し出すために。
*****
横浜某所
街灯が幾つも切れ、夜の帳が道路に浸された一本道。曲がりくねった構造をしていて前方を確認しづらいので、敵からの攻撃にちゃんと反応出来るか怪しいところだ。赤島を先頭に、チームBは本部に指示された通りに進んでいた。
『白のバンはヘヴンヴォイスが乗っていたものです。チームCもその道を入って彼らを追いました。裂綿隊に挟み撃ちにされる危険性が高いのも否めません。チームBはそのまま進行し、敵と思しき人間を確認次第、銃での発砲を許可します』
本部からの内容は一見してみると整っているように思えるが、赤島には重要な事柄だけが隠されている気がした。とはいえ、敵が残した車があるという事は、近くに敵がいるという事だ。指示に刃向かう要素はどこにもない。
――いや、そう思わされてるのかもな。本当は指示を聞かずに行動した方が敵を焦らせることに繋がるかもしれない。
そうは思っても、赤島が実際に行動を起こすには右腕のリストバンドを外さなくてはならない。本部への裏切り防止のために取り付けられた無線爆弾は、裏切りと判断された瞬間、その身を赤島の血液と共に飛び散らせる。それだけは絶対に避けたかった。
自分の右手首が内側から破裂するのを想像し、身の毛がよだつ思いに駆られる。それを頭から無理矢理放り出して、次の曲がり道の先を確認する。そこから数メートル先に左曲がりがあるのが分かったが、そのギリギリのところに窪みがあるのが見えた。ゴミ
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