例外
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こそ本当の笑みを浮かべてこう言った。
「心得た!」
セイバーが微笑み、そう答えてくれたことに安心感や嬉しさが湧き出る。今までセイバーに対して恐怖心を抱いていた自分がどこかにいた。そのせいでうまく意思を伝えられず彼女に任せっきりにしていた。
しかし、今ならハッキリ言える。
マスターとして、俺個人の意思として。
お互い和やかな雰囲気に包まれている中、その空気を引き裂くようにそれは鳴った。
ピピッ
音は携帯端末機からだった。内容は大体想像出来た。セイバーの方を見てみるとさっきの笑顔は消え、真剣な表情をしていた。俺はポケットから端末機を取り出し、内容を確認してみる。
『第二暗号鍵を生成
第二層にて取得されたし』
内容を確認し終えると端末機をポケットに入れた。
「次の階層ができたらしい。セイバー、行けるか?」
「おいおいマスター、おかしな事を聞くなァ」
セイバーが今度はまた違った笑みを浮かべた。
「オレはお前のサーヴァントなのだぞ。このぐらいの傷どうってことない」
セイバーの元気な姿につい笑みが溢れた。
「じゃあ行くか!」
「了解したマスター」
桜に一言礼を言いながら、俺とセイバーは保健室を後にした。
数分後、俺は教室にいた。このままアリーナに直行と行きたかったがセイバーが風呂に入りたいと言い始めたので急遽教室に寄ったのだ。
ベッドに腰掛け、俺は安堵から溜め息を吐く。とりあえずセイバーの体が回復して良かった。一回戦はなんとか戦えそうだ。
『君の求める戦いとはそういうものかね?』
ふとそんな事を思い出した。
戻ること一時間前。
俺が保健室に向かっている最中のことだった。
これから先、どうなるのか不安に陥りながら廊下を下りていた時、見覚えのある背中が階段を下りたすぐ先にいた。それは俺からしたらあまり会いたくない人物。
言峰神父だ。
どうしようか考えるが、ここしか保健室に行ける道がない。はぁ、と重い溜め息を吐きながら下りていく。
俺が神父の近くまで来ると言峰神父はそれに気がつき、振り向いた。
「ん?誰かと思えば君か」
薄い笑みを浮かべ俺に声をかける。
「どうかしたんですか?」
「別にどうもしてない。誰でも人の気配を感じたら振り向くのは当然だろう?」
神父のちょっとした言い方や表情一つ一つに悪意があるように感じて仕方なかった。とにかく、この場から一刻も早く立ち去りたい衝動に駆られる。
「そうですか、じゃあ俺急いでるんで」
神父を追い抜き、早足で歩く。
「待ちたまえ」
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