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鎧虫戦記-バグレイダース-
第22話 止まない雨はない
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であった時から優しいお前のことが大好きだ、ってな」

雨は笑顔で言った。

「うん、伝えとくね。それより私のお返事は?」

豪は雨に我慢するように言うと、更に付け加えをした。

「あと、背を気にしてるんなら一つだけ良い方法を教えてやる」

そう言って体をゆっくりと起こした。
そして、雨にもう少しだけしゃがむように言った。
雨と豪の目線の高さが大体同じになった。
豪は雨に今までにない笑顔を見せて言った。

「こうやってな、相手に合わせてしゃがんでやればいいのさ‥‥‥‥‥‥」

 ドサッ

豪はそう言い終えるとまた倒れこんだ。
雨は倒れた豪を再び起き上げて言った。

「豪さん!死んじゃダメだよ!!」

豪は笑顔で雨につぶやいた。

「大丈夫、ちょっと疲れただけだ。とりあえず一寝入りさせてもらうぜ‥‥‥‥‥」

雨は豪の頬を引っ張って起こそうとしながら言った。

「ダメェ!まだお返事聞いてない〜〜!!」

雨の努力も空しく、豪の目は少しずつトローンとしてきていた。

「ごめんな。今は無理そうだ‥‥‥‥‥後で教えてやるから、な?」

豪にそう言われて、雨は素直に引き下がった。

「‥‥‥‥うん、分かった。でも、後で絶対だよ?」

雨は豪に約束させた。豪はゆっくりうなずいた。

「それじゃあ、よいしょ、よいしょっと」

雨は豪の頭を膝の上に置いた。

「豪さん好きだったよね。ひざ枕」

豪はまたゆっくりうなずいた。

「おやすみなさい、豪さん」
「‥‥‥‥‥‥‥‥おやすみ、雨」

そう言って豪は静かに寝息をたて始めた。

『前からずっと好きだったぜ。今のお前も‥‥‥‥‥昔のお前も』

豪は深い眠りに落ちながら、そう心の中でつぶやいた。
雨は豪の寝顔を見ながら少し笑ってから言った。

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥おやすみなさい‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

彼女もそのまま眠りについてしまった。
あんなに降っていた雨が止み、雲の間からは
2人を照らすように日差しが射し込んでいた。



    **********



 ー翌朝 病院内ー

「‥‥‥‥‥ハッ!」

豪は目を覚ました。そして、体を起こして周りを見回した。
彼はあの時の事を覚えていた。この上なくはっきりと。

「‥‥‥‥‥言っちまったよ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ッッ!!」

豪は自分の言ったことを思い出して片手で顔を押さえ、赤面した。



 ー同時刻 病院内(別室)ー

「‥‥‥‥‥ふあぁーーーっ‥‥‥‥‥‥‥」

雨はあくびをしながらゆっくり起き上った。

「‥‥‥あれ、私‥‥‥‥どうして寝てるんだっけ?」

脳は完全に回復したら
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