第22話 止まない雨はない
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
であった時から優しいお前のことが大好きだ、ってな」
雨は笑顔で言った。
「うん、伝えとくね。それより私のお返事は?」
豪は雨に我慢するように言うと、更に付け加えをした。
「あと、背を気にしてるんなら一つだけ良い方法を教えてやる」
そう言って体をゆっくりと起こした。
そして、雨にもう少しだけしゃがむように言った。
雨と豪の目線の高さが大体同じになった。
豪は雨に今までにない笑顔を見せて言った。
「こうやってな、相手に合わせてしゃがんでやればいいのさ‥‥‥‥‥‥」
ドサッ
豪はそう言い終えるとまた倒れこんだ。
雨は倒れた豪を再び起き上げて言った。
「豪さん!死んじゃダメだよ!!」
豪は笑顔で雨につぶやいた。
「大丈夫、ちょっと疲れただけだ。とりあえず一寝入りさせてもらうぜ‥‥‥‥‥」
雨は豪の頬を引っ張って起こそうとしながら言った。
「ダメェ!まだお返事聞いてない〜〜!!」
雨の努力も空しく、豪の目は少しずつトローンとしてきていた。
「ごめんな。今は無理そうだ‥‥‥‥‥後で教えてやるから、な?」
豪にそう言われて、雨は素直に引き下がった。
「‥‥‥‥うん、分かった。でも、後で絶対だよ?」
雨は豪に約束させた。豪はゆっくりうなずいた。
「それじゃあ、よいしょ、よいしょっと」
雨は豪の頭を膝の上に置いた。
「豪さん好きだったよね。ひざ枕」
豪はまたゆっくりうなずいた。
「おやすみなさい、豪さん」
「‥‥‥‥‥‥‥‥おやすみ、雨」
そう言って豪は静かに寝息をたて始めた。
『前からずっと好きだったぜ。今のお前も‥‥‥‥‥昔のお前も』
豪は深い眠りに落ちながら、そう心の中でつぶやいた。
雨は豪の寝顔を見ながら少し笑ってから言った。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥おやすみなさい‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
彼女もそのまま眠りについてしまった。
あんなに降っていた雨が止み、雲の間からは
2人を照らすように日差しが射し込んでいた。
**********
ー翌朝 病院内ー
「‥‥‥‥‥ハッ!」
豪は目を覚ました。そして、体を起こして周りを見回した。
彼はあの時の事を覚えていた。この上なくはっきりと。
「‥‥‥‥‥言っちまったよ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ッッ!!」
豪は自分の言ったことを思い出して片手で顔を押さえ、赤面した。
ー同時刻 病院内(別室)ー
「‥‥‥‥‥ふあぁーーーっ‥‥‥‥‥‥‥」
雨はあくびをしながらゆっくり起き上った。
「‥‥‥あれ、私‥‥‥‥どうして寝てるんだっけ?」
脳は完全に回復したら
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ