マフラー
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ではなく親戚としての付き合いになった。
中学に入り部活と勉強に忙しく高校生になってもそれは変わらなかった。中学高校とずっとソフトボールをやっていた。ポジションはセカンドだった。関西だというのに珍しく中日ファンでデビュー当時の立浪が好きだから昔のように訳の分らない精神論を吹聴し無意味な暴力を振るう異常な教師もおらず明るく楽しくクラブ活動と学園生活を楽しんだ。
大学は複数受験し三校合格したが教授の評判と家に近い事もあり今の大学にした。文学部国文学科である。合格して暫くした時実家に一人遊びに来ていた姉が言った。自分の家に住んだらどうかと。
別段断る理由は無かった。通学はより便利になるし家へもすぐ帰られる。秋穂も両親も賛成した。
こうして秋穂の大学生活は始まった。別段他の学生と変わることの無いキャンパスライフである。
サークルはやはりソフトボールに入った。好きだったこともあるが慣れたスポーツで楽しみたかったのだ。ポジションは変わらなかった。ソフトボールの他にも映画研究会に入った。二つの掛け持ちだが別段忙しくはなかった。友達と遊ぶのにも本を読むのにも時間を割けた。両方とも好きでやるサークルなので好きな時に行けばそれで良かったのだ。
友人達と話している時よく彼氏の話が出た。大学に入るまで、いや今でも秋穂には彼氏と呼べる様な男性はいない。秋穂が人気が無いという訳ではない。小柄で可愛らしい彼女は異性からの人気も高い。性格もソフトボールをしていたのに大人しく謙虚だった。穏やかであり性格的にも評判が高かった。
問題はその性格である。次女で幼い頃から両親に可愛がられて育てられていた為か箱入り娘であり奥手だった。大人しく謙虚ということは反面自己主張に欠ける場合がある。秋穂の場合がそうであった。姉の春美が元気が良く何事にも積極的なのとは対照的であった。自分から異性に告白した事など無い。好きな人もいたが告白する事は出来なかった。断れでもしたらと、それが怖かったのだ。いつもこっそりと気付かれることなく見るだけであった。他の女友達からは信じられない程恋愛に関しては疎かった。
プロポーションにも自信が無かった。自分の小ささが嫌だった。幼い頃から並ぶ時はいつも前の方だった。何時か背も伸びると思っていたが結局伸びなかった。ソフトでセカンドだったのもこの背が影響した。小柄で動きが速い事を買われたのである。
バストやヒップが小さいのにもコンプレックスがあった。ブラを着けたのは同年代でも最後の方である。着替える時はいつもクラスメイトやチームメイトのスタイルが気になった。そしていつも自分の胸等を見る。心の中で溜息をつく日々だった。服装が地味で丈の長いものが多いのもそれを覆い隠す為だった。
小柄な女性が好きな者も多い。そういった連中からは秋穂は理
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