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ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
Fの記憶/雨の中を乗り越えて
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「僕は今までずうっと迷惑をかけてきた。間違った道ばっか進んでた。ようやく正しい道を見つけたら、みんな死んだ。大事な人も、もういない。もう疲れたんです、正しい道を探すのも、その道を歩くのも。どんな道を歩んでも・・・僕の周りは雨なんですよ!!」

クズである、自分の叫び。だが、雄介は

「大丈夫!」

笑顔の雄介は言った。

「その雨だって絶対止むよ。そしたら青空になる!今、君の周りに雨が降っていても、その雨雲の向こうには、どこまでも青空が広がってるんだ!」

「そんなの・・・綺麗言ですよ」

そうだよ、と雄介は肯定した。

「でもさ、だからこそ現実にしたいんじゃない。本当は綺麗事が一番良いんだから」

「まだ・・・間に合いますか?」

「間に合うよ。守りたい人がいるでしょ?」

「戦ったら・・・。そうしたら・・・青空、広がりますかね」

「広がるよ」

ゆきがベットから立った。

「僕、戦います!」

ユキは宿を飛び出す。五代が笑顔とサムズアップで送り出す。ユキもそれで返した。

カナリアが五代の前に現れた。

「大丈夫かしら・・・彼は」

「大丈夫だよ・・・。彼は守るものを探していたんだ。身近にあるのに気付かずに。だけど、彼はそれを見つけた、だから彼は強くなるよ。頑張ってね、カナリアさん」

ええ、とカナリアが言うと、灰色の壁が現れ、雄介はそれの中へ飛び込み、歩んで行った。








「コイツ・・・!!」

アルゴは、狼のmobを相手にしていた。一層の相手だからと思って油断していたが、強さは九十層クラスだ。

おそらく、中ボス。狼が腕を狙って爪を振り上げる。

「ウ・・・ツっ!!」

左腕が動かなくなる。狼の体当たり。一気に後ろに吹っ飛ぶ。

狼はゆっくりとアルゴに近づき、飛びかかる。

今度こそ終わりだ。もう誰も助けてはくれない。だが――――――――――――

ファング!! マキシマムドライブ

「ファングストライザー!!」

白と黒の姿をしたライダーが、回転飛び蹴りを打ち込む。

命中した瞬間、恐竜の頭部のようなものが浮かび上がる。狼は消滅しなかったが、白黒のライダー、ファングジョーカーである、ユキがアルゴの隣に立ち、言った。

「地獄の底まで、あなたと相乗りしに来ました!!」
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