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【SAO】シンガーソング・オンライン
外伝:ブルハ、ブルハ以外を歌う
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いえーいんわー!しーぷらーやー!」

 そして、演奏終了後にキリトが一言。

「……なにこれ?」
「呪文」
「え、いや……何語なのかなって……」
「呪文」
「そ、そうか……呪文なのか」

 ユウキの有無を言わさぬ迫力にキリトは納得せざるを得なかったらしい。
 実際呪文としか言いようがないこの歌詞は、実は正確な歌詞が公開されていない。俺達が歌った内容はいわば全部聞き手の作った「空耳」である。

「で、各々方。今日はブルーハーツ以外を歌ってみた訳だが、どうだった?」
「なんか宗教音楽みたいで気持ち悪かったです」
「よくわからない」
「言葉に言い表せない凄味がありました」
「楽器演奏してるアスナさんとユウキちゃんかわいい」
「・・・げる」

 てんで話にならないということらしい。やっぱり俺はブルーハーツがお似合いなのか。

「ねね、アスナはこの歌どう思うの?」
「ええと……正直ちょっと引く、かな」
「えぇー?そうかなー?ボクは格好いいと思うんだけど……」
「こ、これが恰好……!?ちょっとブルハ!貴方ユウキに変な物教えないでよ!!」
「変なものって……そりゃいくらなんでも酷いぞ!?」
「そうだよ!凄い曲じゃん!もう一回ちゃんと聞いてよアスナ!」
「い、嫌よ!だってあの独特の高音を聞いてたら頭がおかしくなりそうだもの!いくらユウキの言う事でもそれは聞けないわ!」

 個人的には名曲だと思うのだが、それでも人によっては変な曲や安っぽい曲としか思わない。人間の感性というのは元来そう言ったものだ。多様性があるから文化の発展がある。そんな多様性を巡って勃発した2人の議論は紛糾し、結局その日は喧嘩別れになった。

 翌日、頭が冷めたのか謝り合って仲直りした2人の少女の姿があった。

 同時に、その後ろでキリトが黒鎧黒マント右目眼帯+馬鹿でかい大剣という似つかわしくない恰好で歩いていたが。あいつは何がしたいのだろうか?



 = =


 
 それは一体いつの話だったか、正確には覚えていないほどに前の――まだデスゲームをやっていた頃の話。確かユウキには一度話したことがある、ちょっとした小話の一つ。

「……ブルーハーツ以外は弾けないのか、って?」
「というか、何というか……たまにはもうちょっとかわいい歌とかないのかなって」
「どんぐりころころとか?」
「それは童心に帰り過ぎです!」

 奇抜なピンク色の髪をしたその少女は、そんな話をしてきた。
 そばかすが目につくその少女は鍛冶屋をしていて、名前はリズなんとかいうらしい。思い出せずにとりあえずリズと呼んだら、訂正もされずに通ってしまった。いったい本当の名前は何というんだ。今更ちゃんと覚えてないなんて言えないぞ。

「ふーむ……
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