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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第454話】
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染まり、目をぐるぐる回しつつ――。


「ば、バカっ! は、早く降ろしなさいよっ!! だ、誰かに見られたら……っ」


 腕の中で手足をじたばたさせる鈴音、その度に体力が消耗されていく俺は――。


「わ、わかったから暴れるなよ! ……ほら」

「……ぁ」


 降ろすと同時に小さく声を漏らした鈴音、何だか名残惜しそうな声に聞こえた。

 俯き、恥ずかしそうに人差し指同士を突つきつつ――。


「……ぁ、りが……とぅ」

「……ん? 何だ?」


 聞こえていたが、敢えてもう一度聞いてみると目尻を吊り上げ、さっきよりも真っ赤な表情のままハッキリと俺に言った。


「あ、ありがとうって言ってんのよッ! み、耳が良い癖に、何でこんな時に難聴煩わせるのよ! バカッ!」

「わははははっ、ちゃんと鈴音の素直なお礼の言葉を聞きたくてな。 ……何にしても、怪我がなくて良かったさ、これがな」


 言いつつ、軽く頭を撫でる俺、鈴音は軽く伏し目がちになりながらも何処と無くその表情に喜色が満ちている気がした。

 にゃーっていう鳴き声が頭上から聞こえてくる――それ以外では特に誰かが居るような様子は無く、何となくムードがよく感じたのだが鈴音はそれに堪えきれなかったのか――。


「そ、そう言えばさ! す、少し前に、あんたのお父さん、金髪のお坊っちゃん風の男を何か無理矢理正門の方に追い出してたんだけど――」

「え?」


 ……追い出し、親父は強制的に排除したのか。

 ……とはいえ、堂々巡りを延々と続けられても親父的には堪ったものでは無いのだろう。


「……俺もちょっと前に正門前を通ったが、やり取りがずっと進展してなかったからな。 何か金で入ろうとしてたっぽいし」

「ふぅん。 ……今まであんな変な奴来なかったのに。 ――まあいいわ。 それよりもさヒルト、明日の放課後、予定を空けときなさいよ」


 唐突な話題変え、急に明日の放課後予定を空けておけとは何事だろうか?


「どうしてだ、鈴音?」

「そんなの決まってんじゃん。 アタシの模擬戦の相手よ」


 腕組みし、仁王立ちする鈴音は無い胸を張った――言えば殴られるので決して口にはしないが。


「模擬戦の相手か? 別に構わないが……今日じゃなくて明日か?」

「うん。 今日は甲龍の微調整だけのつもりだし。 ――っても、自分の部屋でステータス開いてやるんだけどね?」


 小さく左目でウインクすると、八重歯を光らせて笑みを溢す鈴音。


「成る程。 なら明日の放課後模擬戦で」

「うん。 場所は第二アリーナを抑えてあるから、ちゃんと来なさいよ?」

「了解――」


 
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