次へとつながる予感
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既にかなり時間が経ってやがる事……そしてこの世界に広がった強いツインテール属性……キリがネェ』)
だがラースはそれを言葉として表に出すことはせず、代わりに何時も通りな声色で、何時も通り名台詞をグラトニーへ投げかけた。
『さーて相棒、これ以上ここに居るといい加減軍隊……いやリポーターの方が確率が高いカ……リポーターとか記者とか来るだろウシ、自然破壊も甚だしいこの場所からトンズラしようぜ』
「うん……面倒臭いの御断りだから―――アレ?」
不意にいい匂いが鼻につき、グラトニーはゆっくりと顔を上げる。その顔にボスンと何かがぶつかって、地面に転がり隆起した地面に当たって止まる。
それは靄で出来ているかのような球体で、匂いはこれから立ち上っているらしい。
拾い上げてしげしげと眺め、やがて彼女の頭脳では答えが出無かったか降参とばかりに、必要は無いのに胸元まで球体を持っていってラースへと問いかけた。
「コレ何?」
(『なーる程ナ、さっきの唐突な消失はサーストの奴の所為カ』)
「……ラース?」
『ハ……クッハハ……』
「? ……??」
首を傾げるグラトニーに対し、ラースは抱いていた疑問が解決した事に、苦笑いの声を漏らす。
感じたエレメリアンの反応は雑魚でもかなりの大群で、且つソレを率いていた将も別段弱いという訳ではないのはラースも分かっていた。
ソレをサーストは瞬く間に倒したのだ……“渇きを癒したい”という自分勝手な理由で進路を塞いだ詫びに。
恐らく向こうではツインテイルズが死闘を繰り広げていたか、今まさに死闘が開幕し様としていたであろう……そんな場所へ躊躇無く乱入して、実力のモノを言わせて蹂躙してしまったのだ。そりゃ苦笑いの一つもしてしまう。
「あの、ラース?」
『オオ、悪い悪イ。そいつは属性力の塊ダ。食っていい代物ダゼ』
「まさか……これ、サーストが?」
『そうなんじゃあねェノ? 他に思い付かなイシ』
「……考えてもしょうがない……頂きます」
己の頭では明確な答えはおろか推論も出ないと判断して、グラトニーは属性力の塊を一口、また一口と齧っていく。
何時もよりも大分遅くやっと食事を終えて、グラトニーは砂を払う動作も見せず立ち上がった。
空を見ると、遠くにヘリコプターが何樹か飛来してくるのが見える。様々な要因が重なって結果長く居てしまったが、もう他に用は無いのでこれ以上長居は無用だろう。
『相棒ヨォ、傷が治るまではその姿で居ナ。瀧馬……人間の姿になったら傷が悪化する恐れがあるかラナ』
「わかった」
それだけ言うと
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