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横浜事変-the mixing black&white-
相手の出方を知っている両者に後ずさりはできない
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、高校生とは思えない美貌を振り撒いている。
「オバサンじゃこの仕事は出来ないよねぇ。だって男を振り向かせるだけの色気がないもん!アハッ!ただのデカパイだっての!笑えるぅ〜!」
刹那、思いきり地を蹴ったと思しき宮条が鈴奈に襲いかかった事で殺し合いに似た攻防が始まったのは言うまでもない。
***
――でも、あれがなかったら今ごろ作戦は崩壊してたかもね。
結局、鈴奈の口車に乗せられた形となった宮条は「ならアンタがメイクしなさい」と言って作戦を承諾。今こうして実行に移っている次第だ。
――あれ、玉木先輩ってなんであそこにいたんだろう?
彼女は神出鬼没で自由奔放な人間だ。誰かに誘導されずとも、あのような形で現れてもおかしくはない。そこでケンジは仕事に集中するために無駄なものを頭から取り除いた。
敵は宮条を周りに囲んだ状態で一定速度のまま歩き出している。方向からして、昨日の会議で阿久津が言っていた通りの場所に向かっているのだろう。やはり組織の力は凄いと感心しつつ、ケンジは彼らの姿を目で追っていく。
やがて裂綿隊は大通りを左に曲がり、その場から姿を消した。これも予想通りだ。あの先は車一台が通れるぐらいの小道になっている。彼らは道なりに建つパーキングエリアの地下へと潜っていく。そこを狙って閃光弾を投げ込み、敵の動きを封じる。あとは宮条と合流し、敵を一人残さず排除してしまえばチームBの仕事は終わりだ。
――……なんか軽い感じがするんだけど、気のせいかな。
――今までもこんな簡単には終わらなかったし……なんか不安だ。
仕事内容に違和感を覚えながらも、ケンジは先行する赤島達と同じく大通りから小道に流れた。一歩出てしまえばもう別世界で、薄闇の中に孤塔のようなビル群が立ち並んでいる。小道は勾配がぬるく、街灯が照らす先にパーキングエリアの無骨な緑色が見えた。すでに裂綿隊が地下に入ったのを確認し、赤島はふうっと息を吐いてこちらを見た。
「ここまでは予定通りだ。全員得物は持っとけよ」
赤島を先頭に殺し屋達が走り出す。一番後ろとなったケンジは腰にマウントしてある拳銃を一度見て、それを取り出した。狩屋に教わった歩き方を実践しつつ、赤島達の様子を窺った。
彼らはパーキンエリアの地下前で一度止まり、互いに目を配らせた。赤島は全員の態勢が整ったのを確認してから、疑問を交えた言葉を吐き出した。
「……正直、俺は今回の作戦も何か裏があるんじゃねえかって思ってる。中にいる宮条も心配だ。閃光弾の位置は絶対外すなよ」
ケンジや他の仲間達は一瞬の間もなく頷き返す。それを合図に、赤島が静かな声で戦闘開始の言葉を口にした。
「作戦開始だ」
どうしても消せない足音を無理
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