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横浜事変-the mixing black&white-
相手の出方を知っている両者に後ずさりはできない
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、モヒカンが左肩近くで呟いた。
「お前、尾行初めてか?」
「はい。実は」
「だよな。後ろから見てて不審者に見えちまう」
「そんなに変ですか……?」
「まあ、気にすんな。そのために宮条が接触して気を逸らしたんだから」
彼はそう言って前方の敵達を数秒眺めた。そこにはパンツスーツを着た宮条が子供のように軽く飛んでいる姿があり、ケンジは目を丸くする。それから昨日の報告会議の事を頭の中でリピートした。
***
昨日の21時頃に例の新港埠頭で行われた殺し屋統括情報局の報告会議。そこでは大河内が前に言っていた作戦内容が明かされ、多くの意見が飛び交った。
最初に口を開けたのは赤島だ。
「最初に言わせてもらうぜ。阿久津さんはどうした?」
『阿久津さんは現在突発的な熱を出しており、自宅療養しています』
「へぇ。……本当かどうかは置いておこうな」
大河内の携帯から会議に参加しているのは高橋という本部の人間だった。これまで阿久津の声しか聴いた事がなかったので、とても新鮮に思えた。
赤島はまだ言いたい事があるようで、他の面子を差し置いて話し始めた。
「作戦についてだが、率直な話、これは危険だ。こちらが強襲っつー形で攻撃するのは分かる。だが、裂綿隊とヘヴンヴォイスは手ぇ組んでる可能性が高い。しかもその間に誰か仲介人がいるんだとしたら……こっちの情報は知られててもおかしくねえ」
『赤島さんの話はこれまでも仮定ばかりだ。我々が彼らの殺し合いに巻き込まれている可能性だってあり得るでしょう』
「尚更ダメじゃんかよ」
『これもまた仮定です。ですがヘヴンヴォイスは山下埠頭での戦闘に参加していません。あの作戦はこちらから仕掛けたものでしたが、味方なら裂綿隊の増援として駆け付け、我々を叩いていたハズでしょう。敵なら我々と共に裂綿隊討伐に参加していたでしょうし』
「……」
確かな根拠を言われ、ここで初めて黙った赤島。それを好機と見たのか、受話口の先にいる男はさらに言葉で畳み掛ける。
『そして本作戦は局長が立案したものです。本部にも殺し屋チームにも拒否権はありません。仮に彼らがグルだったとして、確実な情報の上に作られた本作戦は必ずや成功する事でしょう』
まるで台本でも読み上げているような声を吐き出す高橋。赤島はやや呆れた顔をして、溜息を吐いた。もう何を言っても無駄だと思ったのだろう。
そんな彼を見た大河内が、リベンジとばかりに高橋に問い掛けた。
「そもそも、ここ最近の任務はいつも以上にきな臭いです。裂綿隊はもともと横浜の一匹狼が束なって出来たチームである筈。つまり、誰かが彼らを招集したということです。それに輪を掛けるよ
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