暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第18話 「金色の少女達」
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とから家のこともしないといけない。しかし、多少サボったところで大きな問題があるわけではない。高町達だって任務のときは早退や欠席したりしている。
 現在テストマスターとしての仕事は休日や祝日にすることが多い。俺としては平日にしてもらっても構わないのだが、よほどのことがない限りはよくても金曜日に入るくらいだろう。現状で俺への配慮は充分にされていると言えるはずだ。

「そうだけど、みんな頑張ってるんだ。それに俺は将来的に魔法世界で生活するつもりでいるからさ。もっとそっちの都合で考えてもらって構わないよ」

 そう言い終わってから気が付いたが、いつの間にかユーリの頭を撫でていた。知らない仲ではないとはいえ、さすがに気軽に触れていい仲でもない。

「えっと……ごめんつい」
「い、いえ……わたしは嬉しかったですよ」
「そ、そう?」
「はい、またしてほしいです」

 無邪気な笑顔でとんでもないことを言う子だ……いや、普通に考えればとんでもないと思う俺がおかしいのか。子供ならば頭を撫でられて喜ぶのはおかしいことではないのだから。

「あっ、すみません。わがままを言ってしまって」
「いや別にいいよ。今のくらいならわがままってほどじゃないし、ユーリはもっとわがままになっていいと思う」

 ただ、シュテルとかレヴィのようになるのはやめてもらいたい。俺とディアーチェの会話が増えそうだから。互いの愚痴を聞いて慰め合うっていう会話が……。

「そうですか? ……じゃあ」
「うん」
「や、やっぱりいいです」
「言いかけたんだから言うだけ言ってみなよ。別に怒ったりしないから」
「じゃ、じゃあ……その、いつかショウさんの住んでる街を見て回ってみたいです。前はあまり見て回れなかったので」

 一度やめようとしたから何かと思ったが、まさかの内容に逆に固まってしまった。今くらいのお願いなら、予定さえあればいつでも付き合うというのに……。

「それくらいならいつでも構わないよ」
「本当ですか!?」
「あぁ、今度また遊びにおいで。案内してあげるから」
「ありがとうございます」

 大したことではないのに深々と頭を下げるユーリ。彼女がみんなから可愛がられる理由が何となく分かった気がする。俺と同じ立場になることが多いディアーチェにとって、彼女は癒しの存在かもしれない。……時としてシュテルよりも厄介な存在にもなったりするだろうが。


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