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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第18話 「金色の少女達」
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か、それともベルカ式を扱うことから近接戦闘重視に設計されたからなのか、剣を用いた戦闘では俺とセイバーのタイミングは完璧に近い形で噛み合う。
 そのため、俺達は無軌道で動き回り時折襲い掛かってくる訓練用ターゲットを難なく斬り裂いていく。射撃のときと比べれば、心地良いまでの一体感だ。はたから見た人間は、生き生きしていると思うかもしれない。

『次のターゲットはこれまでより大きくて固いです』

 言葉どおり、これまでのよりも大きく頑丈そうなターゲットが現れる。通常の斬撃で破壊するのは手間が掛かるだろう。
 ――かといって片手剣技だと本来の威力を発揮できるか微妙なところだ。……シグナムの真似でもしてみるか。
 脳裏にシグナムの技を映し出しながら、魔力を刀身に纏わせつつ炎熱変換を行っていく。ターゲットへ接近し、全力の一閃。紅蓮の炎を纏った斬撃がターゲットを斬り裂くのと同時に、視界が炎と火花で覆い尽くされる。

「……微妙だな」

 シグナムの紫電一閃を真似てやってみたが、彼女のほどの威力はないように思える。時折剣の手ほどきを受けているとはいえ、技自体を習っているわけではない。それだけに本家の一撃に及ぶわけはないとは分かっていた……彼女に見られていたなら、怒られはしないだろうが熱心な指導が始まりそうではあるが。

『次で最後にしますね』

 嬉々とした声が聞こえたかと思うと、ほぼ一直線上に大量のターゲットが現れる。最後だからといって奮発しすぎではないだろうか。
 まあこれで最後なんだ。余力がないわけじゃないし、あれを試してみるか。
 中にいるセイバーに指示すると、煌びやかな刀身に漆黒の魔力が集まっていく。可能な限り収束させつつ、限界に到達するのと同時に剣を振りながら解放。巨大化した漆黒の刃が、大量のターゲットを一気に葬り去った。
 収束魔力斬撃、とでも呼べそうな魔法《エクスキャリバー》。ファラにはなく、セイバーのみに入っている魔法であり、現状で最大の威力を誇る魔法でもある。ただ魔力消費量や発射できるまでの時間から、実戦で使うとなるとタイミングはシビアなものになるだろう。
 ターゲットが残っていないことを確認した俺は、セイバーとのユニゾンを解いた。慣れた重さの剣よりも重いものを使ったり、大規模な魔法を使ったせいか地味だが確かな疲労を感じる。体力向上は意識してやっているし、年々魔力量は増えているが……もう少し早く成長してくれないものだろうか。

「まあ……こればかりかしょうがないか」
「マスター、大丈夫ですか?」
「ああ。……シグナムとの模擬戦に比べれば楽なもんだ」

 シグナムとの模擬戦を見たことがないセイバーは首を傾げたが、続けて「ユーリのところに戻ろう」と言うとすぐさま頷いた。俺が歩き始めると、すぐ後ろを浮遊しながら付
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