空白期 第18話 「金色の少女達」
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いいか?〕
〔はい、問題はありません。……何やら様子がおかしかったですが、マスターは大丈夫なのですか?〕
〔ん、あぁ大丈夫だ。もう落ち着いた〕
〔そうですか……なぜあのようになられたのですか?〕
人の感情の動きに興味を持ってくれているのは嬉しいことではあるが、先ほどのようなことを説明するのは気が進まない。とはいえ、セイバーの成長ははやて用のデバイスにも繋がるわけで……説明するしかないだろう。
〔それはだな……恥ずかしかったからだ〕
〔恥ずかしい? ユーリは褒めていたように思えましたが?〕
〔慣れがない人間っていうのは、褒められても恥ずかしいって思うんだよ〕
〔そうなのですか。人間というのは複雑なのですね〕
人のことをフルネームで呼んでいたのに、近しい相手のことは名前だけで呼ぶようになったあたり、お前も人間らしくなってきてるんだけどな。まあデータ収集のときくらいにしか来てなかった俺よりかは、マリーさんやユーリ、ファラあたりのおかげだろうけど。
〔ファラの思考も同じくらい複雑に感じますが……〕
〔まああいつはお前よりも人間に近い考え方をしてるからな。お前にもいつか分かる日が来るよ〕
〔それは……喜んでいいものか分からない言葉ですね。彼女の開発コンセプトは分かりますが、我らはどこまでも行ってもデバイスです。デバイスとして使われてこそ、デバイスとしての本分が果たせるというもの。彼女はいささか考え方が人間過ぎます〕
セイバーの言葉に思わず笑いが込み上げてきた。彼女はファラが妹みたいに扱うと、参考にされている部分はあるが厳密には姉妹ではないといったニュアンスの言葉を返しているのだが、今の言動といい稼動を始めた頃のファラにそっくりだ。
またふたりの見た目はどことなく似ている。検討されていた人間サイズになれるアウトフレーム機構をファラ共々搭載したことから、並んで歩けば姉妹に思われても何ら不思議ではない。まあ新システムの搭載に伴ってセイバーと同じくらいに大きくなったファラや、自分よりも大きくなる相棒達にはまだ慣れていないのだが。
〔確かにそうかもな……〕
だが俺は知っている。人間らしいファラが、戦いの中ではセイバーの言ったように使われることを望んでいることを。
〔でもあいつもデバイスなんだよ〕
〔それはそうですが……マスターの言い方からして事実を言ったわけではありませんよね。どういう意味で言ったのですか?〕
〔それは自分で考えるかファラに聞いてくれ〕
〔……マスターがそう言うのであれば〕
どこか納得していない声を出すようになったあたり、今は俺の指示を最優先するセイバーもいつか自分の意見を口にするようになるのだろう。できることなら今の感じのまま人間らしくなってほしいところではあるが、どうな
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