二十四章 幕間劇
烏と雀と三人での遠足
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京討ち込みを控えた躑躅ヶ崎館内は、いつも以上の緊迫感で包まれていた。まあ最近は術式構築はもうそろそろ完了しているはずだけど、その構築は魔法使いであるルフェイやゲオルグとかにも手伝ってもらっている。俺は一真隊の事は詩乃達に任せて俺は俺でやる事に専念していた。まあ全てをお任せにするのも癪なんで、調達した武器の調整やそれらの割り振りから、ルートや補給地確認とかを足軽や組頭の話し合いながら裏での事を話し合っていたりする。
「組頭、例の件はどうなんだ?」
「へいお頭。ただいま順調に進んでおります、一真隊の方は順調ですが他の部隊からは侍大将や組頭との連携で順調に調書が集まっています」
「それならいいが、武将たちにはバレていないだろうな?」
「それも大丈夫かと、書かせているところも足軽や組頭達専用区画でやっていますぜ」
「今の所順調と、呼び止めて悪かったな。裏の計画始動までこちらも神殿やら術式がもうまもなく構築するから、情報が集まり次第決行すると皆に伝えておいてくれ」
そう言って一真隊の組頭を仕事場に戻らせてから、俺の仕事は終わったも同然である。で、タブレットに今の所順調という事で地上での確認終了の報告を入れてから俺は庭に向かった。疲れた程度ではないが、建物内にいるより庭にいた方が他の者と邪魔にならないためでもある。椅子はないから、中庭の石に腰を降ろして瞼を閉じた。
「お兄ちゃん」
そう呼ばれたので、俺は首を振るがどこにもいない。
「お兄ちゃん、ここだよ」
とんとん、と肩を叩かれても睡魔が襲ってきたのか瞼は開けてない。
「お兄ちゃーん!ここ、ここ!雀達はここだよー!」
耳元で大きな声を出されたので、瞼を開けると雀がいた。
「んー?雀か」
目を開けると雀のドアップに視界を覆われたが、気配で気付いていたので驚くよりも名前を呼んだのだった。
「やっと見つけた!お兄ちゃん、雀たちは、ここでーす!」
「お、おう。言われなくとも分かっている」
更に顔を近付いてくる雀を苦笑で制して、俺は立ち上がる。
「何か用か?」
「あのね、雀たち、これから遠足に行くの」
「遠足?」
「・・・・・」
「お兄ちゃんも誘おうと思って、ずっと探してたんだよ!たくさん、たーくさん、探してたの!」
「そうなのか、今結構バタバタしているが今は暇だからな。まあ息抜きはしたいよな」
そう言うと俺は俺で一生懸命やっている事は知っているし、大評定での事も知っているからなのか。息抜きをしたって誰も文句は言わないとな、あと全兵達を夜叉化するとは言ったが八咫烏隊の鉄砲部隊の兵達のみは、そのまま保護対象となっている。八咫烏隊は鉄砲集団だから、拠点に戻った後はブラック・シャーク大隊八咫烏部
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