二十四章 幕間劇
烏と雀と三人での遠足
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」
「いただきまーす!」
そうは言ったが、皆がくれたおやつは美味しそうだったけど一度言ったもんだからまあいいやと思いながら見ていた。雀は美味しく食べていたが、烏は頬張りすぎるくらいに口の中がパンパンだった。親指たてていたけど、二人の幸せな顔を見ていると俺や船にいる皆も心に癒される笑みであった。母性本能がくすぐられると言っていたから、紫苑が璃々に早めに会いたいと言っていた。俺はルシファー達が相手しているし、オーフィスとかも璃々と遊ぶの好きだったしな。楽しい昼食の時間が過ぎた頃だった。
「・・・・・」
ふと、何かに気付いた様子の烏が立ち上がり、空を仰いだ。
「何かあったのか?」
「・・・・・」
「ちょっと待っててって」
烏の視線は、黒い塊に注がれているがあれはカラスかな?鳥たちは一本の大きな木に群れると、一斉に大きな声で鳴き始めた。烏を呼んでいるようだなと俺は思ったけど、動物の言葉も大抵分かるからなのかもしれんけど。鳥は木の下に立ち、烏と言葉を交わすような仕草をした後にこちらに戻ってきた。役目を終えたのか、鳥たちは一斉に飛び立ち、再び群れを作り空へ舞い上がった。
「・・・・・」
「お兄ちゃん、大変!もうすぐ雨が降るって!それもたくさん!」
「俺も天空神に確認したら大雨降るらしいな、それも嵐みたいなのが」
一見空は晴天に見えるが、烏は鳥たちから得た情報で俺は天空神からの情報が合致した事で俺達は早めに戻った方が良さそうだな。烏と雀は俺が神だと知っているから天空神から聞いたと言うと二人とも頷いていた。そして俺達は荷物を纏めてから、来た道を小走りで引き返す事にした。十分も経たない内に空は黒い雲に覆われてから、一粒の雨が降った。
「こりゃまずいな、急げ!」
雨はそれから数分後には豪雨へと変わっていくので、ゲリラ豪雨ぐらいの雨であり泥水を舞い上げて足元をすくう。このまま走ると道に迷うか怪我するかなので、道の外れにある小屋を発見してくれたゼロの案内で入った。
「あそこの小屋に入るぞ!」
二人の手を掴んで小屋内に滑り込ませた。
「凄い豪雨だな」
「ふわー、ずぶ濡れだよぅ」
「・・・・・」
「ところでここは何の小屋だ?」
見渡す限り小さな囲炉裏と、床の隅には積み上げられた薪や木箱に入った炭が置かれていて、壁には斧や縄になめし皮で作られた袋があるので狩りの時期にだけ猟師が使う狩小屋だった。
「ここを借りて雨宿りするか」
「うん」
「・・・・・」
「うん、そうだな。雀もだよ」
どうやら雀と烏は寒いと言っていたからか、雨の所為で気温が下がったのか初夏とはいえ濡れた服を着ているといずれ風邪を引いてしまうだろう。
「ちょっと待って
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