二十四章 幕間劇
烏と雀と三人での遠足
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ないかと思ったけど、鞠はにっこりと笑って言った。
「分かったの、楽しんでき・・・・」
「遠足!もちろん一緒に行くのですー!」
一名空気読まない子がおったわ、それも鞠が楽しんで来てと言うのを遮るようにだった。裏山に登るの楽しみとか言っていたが、遠足は俺と烏と雀だけなんだから何とか断りの言葉を言わないと誘ってくれた二人に対してかわいそうだ。
「あーあーあー!綾那、今日は鞠と一緒にお部屋で書を読む約束をしていたの!だから遠足には行けないの!」
「そんな約束してないのですよ」
「してたの!綾那が忘れちゃっているだけなの。ねー」
「えっ・・・・?」
「ほら、約束覚えてるよね。だから、遠足は三人で行ってくるといいの」
さすが鞠だ、俺の後ろにいる烏と雀だけで行きたいとそう感じたのか悟ったのか察知したのかは分からないけど有難い事だ。鞠が歌夜と俺、後ろの二人の顔をちらちらと見比べる。それを見た歌夜はやっと察したようだった。
「一緒に行くのです・・・・むぐっ」
歌夜が咄嗟の行動で綾那の口を両手で押さえ、自由を奪った。
「そうでした。確かそんな約束してましたね」
「そうなの!だから邪魔しないの!」
「むむむーっ!(行くのですーっ!)」
「さあ、一真様、今の内です」
綾那が敵扱いのようにされているけど、俺達三人だけで行かせてくれるようなので助かった。
「鞠に歌夜、助かったからまた今度お礼するわ。そんじゃ行きますか」
「「・・・・ほっ」」
今まで黙って事の成り行きを見守っていた二人から、安堵のため息が漏れた。予想通り二人も俺と三人で行きたいらしいからか、俺も心の中で空気を読んでくれる人がいて助かったと思った。
「じゃ、本殿に戻るの!」
「置いてけぼりなんてずるいのですーっ!」
騒ぐ綾那を強引に引きずって、鞠が本殿へと歩いて行った。
「お引き止めしちゃってすみませんでした」
「いやこちらこそ助かった、鞠や歌夜がいなかったらせっかくの三人での遠足が台無しになりそうだった」
「お詫びと言っては何ですが、これをお持ち下さい。黒蜜黄な粉です。さっきの二人には内緒ですよ」
歌夜が悪戯っぽく笑い、竹皮の包みをまず雀に渡した。
「ありがとう!」
「(ぺこり)」
「いえいえ。気を付けて行ってきて下さいね」
「はーい!」
「(ぺこり)」
「では、失礼します。綾那についてはお任せを」
そしたらおやつが一杯になったので、雀は一気にテンションが上がった。そんでおやつを俺に手渡す雀に、烏は裏山でのおやつまで我慢なと言っといてから空間にしまったけどな。それにしても二人は皆に可愛がられているんだな、黒鮫八咫烏部隊にするの
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