二十四章 幕間劇
烏と雀と三人での遠足
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と雀が、誰の音だと言うから何だと思ったら誰かの胸のドキドキした音だった。ぴたりと俺の胸に雀が耳を当ててから顔を上げて、大きな瞳で覗きこむ。俺では無さそうなのでもっと大きい音なので今度は烏の胸元に近づいた。どうやら烏のだったらしく、凄くドキドキしているそうだ。
「ねえ、お姉ちゃんの心臓の音、お兄ちゃんも確かめてみて?」
「おういいぞ」
ぐいっと俺の腕を掴み、烏の胸元まで持ってくるが拒絶感はなかった。烏は黙ったまま俺の手を受け入れているけど、掌から烏の鼓動と体の熱が伝わってくる。時々吐息の音がやけに艶かしい。
「・・・・ね、ドキドキしてる・・・・でしょ?」
「そうだな」
一言だけ言ってから、しばらく無言になるけど俺の吐息からも熱いのが零れた。その熱に当てられたかのように、雀が頬を紅潮させる。
「・・・・なんだか、雀もドキドキしてきちゃったよ・・・・。お兄ちゃん、雀のも触って・・・・?」
雀の手に導かるようにして、烏の胸元にから雀の胸元にいく。烏と同じように雀の鼓動も早く体は熱かった。恋心がそうなっているのか、それとも翼の排出で熱くなっているかは分からない。二人ともどうしてこんなにドキドキするのか分からない様子だった。ドキドキの意味を知っているかと聞かれて俺は知っていると答える。
「じゃあ、それを・・・・雀たちに教えてくれる・・・・?」
「このドキドキの意味は・・・・」
そう言いながら二人相手をしてしまった俺であったが、まあ良いだろうと思ってしまう。朱里や雛里のように小さい子でさえもシてしまった事はあるのだから。そしていつの間にか寝てしまったようで、体の上には乾燥機で乾かした服が置かれていた。恐らく乾燥完了後に見えない神々が畳んでいたのだろうな、そんで乾燥機はなかったので空間切断で回収したようだ。
「あれ・・・・烏はどこに行ったんだ?」
部屋に烏の姿が無い事に気付いた俺は、翼をしまい雀が起きない様にして毛布と布から出ようとしたら小屋の扉が開いた。
「・・・・・」
「烏、どこに行ってたんだ?心配したぞ」
「・・・・・」
すっと指差された扉の外を見ると雨の気配もないし、天空神からも雨は上がったと聞いた。ま、雨がなかったらこういう展開もなかったから恐らく天空神がワザと降らせたのだろうな。
「どうやら雨は上がったようだな」
「・・・・・」
「雀を起こさないとな、皆心配してるぞ。・・・・雀、起きろ。帰るぞ」
「・・・・ふえ?」
「雨、上がったそうだ」
「・・・・ほんと?」
まだ眠そうな顔をしていたのか、雀は体を起こした。
「皆、きっと心配しているからさ。早めに帰らないとな」
「うん、そうだね・・・・」
そう言って服
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