SS:狼、白、そして氷槌
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すが……」
「おお、そういえばおんしはあの頃まだ乳飲み子であったのう?ほれ、あれの事は知っておろう?」
ネスキオが指さした窓の外を見たフラッペは、町の向こうに見える巨大な氷の塊を見て頷く。
「確か30年前、ネスキオさまが連合盟主に即位される切っ掛けになった戦いの残りですよね?国潰しの炎の巨人を打ち払ったという――」
「うむ。あの戦いを見て当時の退魔連合が協力要請を送ってきたときに、使者としてきたのが坊なのだ。懐かしいのう……あの氷槌、30年経ってもまだ融けんのは不思議じゃ」
「ああ、それは女王の親衛隊が住み込みで融けぬよう維持しているからだそうですが。おまけに定期的に張り付いた雪を削って原型を維持しているとか……」
「初耳なのだが!?我が国の親衛隊は暇が過ぎるのう……」
山を越えても尚目につく、永久凍土に突き刺さった戦いの残滓。
世界最南端に連なる永久凍土の山脈――その全てを支配するエドマ氷国連合盟主。
化物より化物らしき、『白狼』の王族に生まれし女帝。
彼女の住む城よりも巨大なその「氷槌」の下に、最悪の魔将スルトルの亡骸がいまだに眠っている。
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