第四章
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よ」
流石にそれは全力で否定した。
「俺高校デビューだぜ」
「そうか?」
「実は違うんじゃねえの?」
仲間達はこう言ってからかってきた。
「本当はもう中学校の時でな」
「それも派手に」
「ガクチューでもう百人斬りとかな」
「馬鹿言えよ」
そんな筈がないのだ。康則にそこまでの腕があれば今こんな会話には混ざってはいない。ここにいる面々が皆そうなのである。誰もそこまで女の子に詳しい者はいないのだ。
「鷹田なら、って思ったんだけどな。いや」
「そっちにもか」
「ああ」
「何か御前結構女難だな」
「別にそんなつもりねえけど」
「まあ来たい時に来てくれよ。俺達は別に止めたりしないからよ」
「悪いな」
「しかしなあ」
「鷹田は本当に残念だったよな」
「全くだよ」
最後は逃した魚を思い出して疲れた顔になるだけであった。言ってもどうにもなるものではなかったが。それでも黙っていると余計に嫌な気分になる。そこが実に矛盾していた。だが彼等はそれを特に気に留めるわけでもなくたべり続けていたのであった。これも何だかんだと言っても青春なのである。
その日康則は学校から帰るとゲームセンターやコンビニで時間を潰した。ゲームの方は絶好調で最後までクリアした。格闘ゲームのラストまでいったのであった。
「こいつでクリアしたのははじめてだな」
目の前の画面ではじまるエンディングを見ながら呟いた。そこでは何か色々とエピソードがはじまって次にスタッフロールが流れていた。
「さてと」
それを見終わって席を立った。そして店を後にした。
特に何をするわけでもなく夜の街を歩いていた。すると目の前の酒屋で何か騒ぎがあった。
「もう一軒行こうよ」
「飲み過ぎよ」
「いいのよ、今日は」
「何だ?酔っ払いか?」
彼はそれを見て顔を顰めさせた。まだ七時を少し回ったばかりである。それで騒ぎには少し早いように思えた。
「何か随分飲んでるんだな、おい」
見れば二人の女の人が店の前で騒いでいた。一人はきっちりとしたスーツの女の人でもう一人は。彼がよく知る人であった。
「っておい」
彼はその人を見て顔を顰めさせた。
「先生じゃねえか、何やってんだよ」
そこにいたのは何と真子先生であった。何と派手に酔っ払っていたのだ。顔はもう真っ赤で前後不覚になりかけてある。それで白いシャツの中にある胸が動く度に揺れ、黒いタイトのミニスカートから出ているタイツに覆われた脚が躍動している。かなりはしたない姿であった。
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