天下分け目の戦国MOVIE大合戦
月の花を訪ねて
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『あたしは武神月花! 武将ヒデヨシの二人目の武神よ! えーい――やあ!!』
ジャンプし、両手のDFバトンを全力で打ち下ろした。武神鎧武は月花の攻撃を無双セイバーで受けた。
『異世界の武神か。その力も貰おうか!』
武神鎧武が無双セイバーを揮った。月花は勢いに任せて一度後ろに跳んで下がった。
もう一度DFバトンを構えて突撃しようとした月花を、白いアーマードライダーがメロンの盾をした腕で制した。
白いアーマードライダーが何かを拾い上げた。大きめのUSBメモリ。ちょうど武神Wが倒れていた位置に落ちていた。
『貴様は我々の世界の鎧武ではないな』
『礼を言うぞ。まとめて我が力と変えてやろう』
赤い大橙丸が月花らに向けられた。
だが、白いアーマードライダーは慌てなかった。振り抜かれた赤い大橙丸を盾で受け、近くにいたウツボカズラ怪人を蹴って武神鎧武にぶつけた。武神鎧武がわずかに怯む。
そのわずかな隙に、白いアーマードライダーは月花を肩に担ぎ、戦場を離脱した。
武神鎧武が追いかけて来ないと知ったからか、白いアーマードライダーは止まり、月花を意外にていねいに地面に下ろした。
ぺたん。その場にしゃがみ込み、その拍子に変身が解けた。
『? おい……』
「何てこと……何てこと、してくれたのよ!」
逃げる間、ずっと我慢していた思いの丈を、咲は遠慮なくぶちまけた。
「あのアーマードライダー、悪い人じゃなかったのに! ヒドイよ! ばかばかばか! わからず屋! …う…っ…ふええええん!」
『!?』
白いアーマードライダーは驚いて身を引いたのだが、泣いている咲にはそれすら分からない。自分の感情を涙にして流すことで精一杯だった。
敵も味方も、戦いもない。コドモである彼女のつたない、一滴の嘘もない感情表現だったのだ。
少女の泣き声が鎮火するまで、斬月は粘り強く待った。弟妹が大声で泣く質ではなかったので、泣き声耐性のない自分にしては、本当に粘り強く待った。
やがて少女の泣き声は小さくなっていき――少女はこてんと倒れた。
斬月は少女を抱き起こした。まさかのこの事態で、泣き疲れて寝ている。
変身が解けた少女の体は、妹と変わらないくらい小さい。
(今の世間では、こんな子供でさえカラーギャングの真似事をしている。それに比べて、碧沙は本当にまっすぐ育ってくれたものだ)
斬月は少女を一度地面に寝かせ、ロックビークルを展開させた。そして少女を持ち上げ、サクラハリケーンの後部座席に乗せて自分も跨り、飾り帯で少女を自分に括りつけた。
(こんな荷物がいては調査もままならない。悪いが帰ってもらうぞ)
サクラハリ
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