天下分け目の戦国MOVIE大合戦
月の花を訪ねて
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ケーンのエンジンを噴かし、アクセルを大きく回した。
――貴虎も咲も知らない。この武神W陣営壊滅の報が、イエヤス陣営にいた紘汰と光実を、戦極乱世に巻き込んでいくことになるなど。
~*~*~*~
この妙な世界に紛れ込んでから、イエヤスとかいう男に捕まった紘汰と光実の前で、そのイエヤスがあれこれ家臣から報告を受けている。紘汰はそれらを聞くともなく聞いていた。
「それから、武将ヒデヨシの陣営につい最近、二人目の武神が加わったとか」
「二人目? へえ、俺以外にも武神を二人以上持とうって考えた武将がいたのか。して、その二人目の武神は?」
「名を武神月花。武神Wが武神鎧武に討たれたのと時を同じくして、行方知れずになったそうです」
「月花!?」
紘汰はつい身を乗り出した。イエヤスや家臣たちの驚いた視線が紘汰に集中したが、気にならなかった。
(まさか咲ちゃんもこの戦極時代に? いや、あの時、裂け目を通ったのは俺とミッチと戒斗だけだった。じゃあ武神鎧武みたいに、『この世界の月花』がいるってことなのか?)
自分にしては珍しいほど考え込んだ。光実に呼びかけられたが、答える余裕がなかった。
「――なあ、殿様。あんたの武神になってやってもいいぜ。ただし、条件が一つ」
「言ってみろ」
「『月花』がいたっていう武将んとこに連れてけ。そこに『月花』がいなけりゃ、『月花』がいるって噂でも何でもあった場所に行かせろ。それが俺が、あんたの武神になる条件だ」
咲はまだ小学生なのだ。こんな血なまぐさいセカイに長く留まらせてはいけない。
「やけに拘るんだな。武神月花はお前の情人か?」
言葉が分からず首を傾げた紘汰に、光実が「恋人のことですよ」と耳打ちしてきた。
「なっ、ち、違うに決まってんだろ! 相手、小学生だぞ、小・学・生! ただの友達だ!」
「ふうん。まあいい。それでお前らが武神になるなら安いものだ」
イエヤスが指を鳴らすと、家臣の一人が、高坏に並べられた戦極ドライバーと種々のロックシードを差し出した。紘汰は光実と顔を合わせて笑い、それぞれドライバーとロックシードを取った。
「これもやろう。武神ウィザードの形見だ」
イエヤスが紘汰の手を取り、強引に、宝石が大きめの指輪を握らせた。
「馬車を引け! 今から武将ヒデヨシの城に向かうぞ」
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