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あかつきの少女たち Marionetta in Aurora.
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!?」
「カエルどこかに落としてきちゃった!」
「カエルなんて後です後後!」
モモは目を進路に戻そうとして、
「っ!?」
美希の顔面、涙を溜めた双眸に違和感を持った。
瞳孔が一回りほど縮んで、見事な三白眼になっている。
するともう、彼女の顔は写真で見た斎藤美希の物と全く同じだった。
「美希さん、目が」
「あれ、カラコンも取れてる!?」
と、その時モモのブレザーのポケットから電子音が鳴った。
蔵馬に渡されていた携帯だ。
走りを止めず、空いている方の手で携帯を取り出す。
「もしもし!」
『モモ、今どこだ? 何してる?』
蔵馬の声。
聞きたくて仕方がなかった声だが、悠長な声に少し腹立つ。
「えっとですね、何と言えばいいのやら」
『どういうことだ。状況を説明しろ。短く的確にだ』
蔵馬の要求に、モモは現状を鑑みた。
今は走っている。だがそれだけでは的確とは言えない。
何故走っているのか。それは怖い顔をした男たちに追われているからであり、追われる理由は――。
モモは困惑と不安で表情を引き攣らせる美希の泣き顔を振り返る。
『短く的確……斎藤美希を見つけました。そして、怖いおじさんたちに追われています』
携帯からのモモの報告に、蔵馬は唇の隙間から溜め息とも驚嘆とも言えない息を吐いた。
斎藤美希を見つけ、怖いおじさんに追われている。
モモの言葉に、蔵馬は手の中にある暴力団のバッヂを見下ろす。
斎藤美希を見つけたのはお手柄だが、もう既に厄介事に巻き込まれているとは……。
義体になった経緯も含めて、事件の渦に取り込まれやすい星の下に生まれたのだろう。
さっきの二人は全員で八人いると言っていた。もしかしなくても、奴らの仲間だ。
「そいつらはヤクザだ。何故か斎藤美希を狙っているらしい。モモ、何人に追われてる?」
『三人です!』
という事は残り三人だ。恐らくそいつらもモモの方へ向かっているはずだ。
ともかく、早くモモと合流しなければならない。
「今どこにいる?」
『分かりません!』
「近くに何か目印になるようなものは」
『居酒屋さん!』
「厚木には山ほどある。他には?」
『えっと、えっと、あっ公園! 今公園に入りました!』
「デカい球がいっぱいある公園か?」
『そうです!』
ならば恐らく厚木中央公園だろう。
「そこから北へ向かえ。まっすぐ行けば小学校がある。その周りを俺が着くまでグルグル回ってろ。ただし銃はギリギリまで使うなよ。殺すのもナシだ。今はセンターのバックアップ準備が無い。さすがに死体の隠蔽は出来ん」
『分かり
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