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あかつきの少女たち Marionetta in Aurora.
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うかめっちゃ揺れたし……。何、モモってもしかしてサイボーグだったりする?」
「…………違うよ?」
「冗談だって。そんなマジトーンにならなくていいから。ていうか店出よう、たぶんこれ店員さんに怒られるやつだ」
美希はモモの手を引いてクレーンゲームから離れ、対戦ゲームの脇を抜けて店の出入り口に向かう。
「そういやモモ、さっき何か言おうとしなかった?」
「え? あー、その。美希さんって……」
モモは言葉を選ぶ。
こういう場合、どういう風に聞けばいいだろうか。
あなたは神戸在住西京重工業の重役の孫娘さんですか、などとは聞けない。もし違った場合の取り繕いが難しい。
思案が長引きモモの口が開く前。二人の足が止まった。
ゲームセンターの出入り口で、男三人と鉢合わせた為だ。
黒いジャンパーを着た強面の巨漢が二人と、革ジャンを羽織った一応目鼻立ちは整っているが軽薄そうな若い男が、モモたちを待ち構える様に立っていた。
真ん中の若い男は美希とモモに笑いかける。人の不快感を煽る、薄気味悪い笑みだ。
「おっと、出てきた。ねえ茶髪の君」
そして美希を小指で指差した。
「もしかして斎藤美希って名前だったりする?」
「は、はあ。そうですけど……」
美希の答えに男は笑い顔を濃くして、後ろの二人にアイコンタクトを取る。
「そっかーよかったぜー、見つかって」
なははと気の抜ける笑声を発し、気安く美希の肩に手を掛ける。
ナンパなのかどうかも判断の付かない男たちの態度に、美希は意見を求めようとモモの方に振り返る。
一方モモは軽薄男の左腋に、まっすぐと、睨みつけるような視線を送っていた。
男の左腋の辺り、革ジャンが少し膨らんでいる。
そして、鋭敏なモモの嗅覚は、そこから漂ってくる臭いを感知していた。嗅ぎなれた臭気。ガンオイルの臭いだ。
美希の方に乗った軽薄男の拳、後ろの巨漢二人の拳、どれも拳タコや小さな傷が出来ている。
何より彼らは、斎藤美希の名を知っていた。口ぶりからして、彼女を探していたのだろう。
モモの脳内で警報が鳴り響く。
彼らが何者で、傍にいる少女が自分たちの探している斎藤美希なのかはまだ分からない。
しかし、少なくとも目の前の少女をこの男たちに渡しては駄目な気がする。
「あの、確認したいんですが」
モモは最終確認の為に口を開く。
「あなた方は警察の方ですか?」
「うん? ちげーよ?」
否定の回答。
それを聞いた瞬間、モモは軽薄男を突き飛ばし、美希の手を引いて巨漢の間を通り抜けた。
モモたちはゲームセンターを出て、往来する人々の間を縫うように疾駆した。
「え、なになになに!?」
「いいから走って
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