俺と聖ともう一人
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「別に問題ないよ」
うわー、コイツ超ナチュラルに自分の横を空けたよ
自然に誘導するとかマジ聖さんパねぇっす
ハラオウンは聖の誘導の元、素直に横に座った
「なんか雰囲気変わったね」
ハラオウンはそう切り出してきた
それはそうだろう、彼女たちが今まで見てきた聖 亜蘇羅は虚像だったのだから
彼の本質を見抜けていない時点で彼女たちの関係も薄っぺらいのだろう
関係もクソもない俺が言えた義理じゃないが
「うん、そうだね。確かに俺は変わったよ」
変わったというより戻ったという方が正しいと俺は思う
「彼のおかげでね!!」
「はぁ?!」
俺の思考は聖の言葉に追いついていなかった、むしろオーバーヒート寸前だ
俺が何をしたというんだ、せいぜいこいつと行動を共にしてるぐらいだ
「彼は俺にこう言ったんだよ。好きな女にそんなにガッついてどうする、本当に振り向かせたいんなら目に見える物じゃなくお前自身の中身で振り向かせてみろってね」
聖は誇らしげにこんなことを語っているが全部嘘だ
俺はそんなことを行った覚えはないしコイツとまともに喋ったのは昨日が初めてだ
それに基本喋らない俺がそんなセリフ間違っても吐かない
コイツ一体何を考えてやがる
もしかして昨日会ったばかりでろくに喋った記憶のないしかも協力してる俺を今ここでハメる気なのか?!
「へぇー、そうなんだ」
何納得しちゃってんの?!
もうちょっと疑ってかかろうよ、今の今まで一言も喋ってないような奴がそんなこと言えるわけ無いでしょ?!
俺は主人公じゃないんだよ、そんな言葉すらすら出てくるどころかキョドりにキョドって気味悪くなるよ?!
だがそこでいいタイミングでチャイムがなった
正直ここまで授業のチャイムに感謝をしたことは無い、今後はそんなことがないことを願うが
「じゃ、私先戻ってるね」
ハラオウンはそれだけ言うとさっさと行ってしまった
危機が去ったことだけは確かだ
だがその危機を作り出した張本人が目の前にいることなので一応釘を刺しておくことにした
「おい、あんましああいうことすんじゃねぇよ」
「でもあれぐらいの理由があった方が別に一緒に居ても怪しまれないと思うんだけど」
聖は聖なりに考えてやった事なのだろうが俺にとっては大迷惑だ
そもそもあんな回りくどい説明なんかしなくても自然体で良かったのだ
クラスや学年での俺の評価など最底辺なのだから
名前を聞いてもまともに答えられる奴などいない
よって周りからは『聖君良くわかんない奴とこの頃つるんでるなー』程度にしか認識されないのだ
なのにコイツは……
それに加えて俺はし
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