俺と聖ともう一人
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いるという項目さえクリアできればOKなのだ、俺から話しかけてやる気はさらさらない
だが聖もそろそろ限界のようで口を開き何かを言おうとしたその瞬間、右後ろから声が投げかけられた
「あれ、亜蘇羅?」
声の主はけしからん胸、スタイル抜群、容姿端麗、スポーツ万能といったチート能力を備えたフェイト・T・ハラオウンだ
「んっ、ハラオウンさん?」
「ハ、ハラオウンさん?!」
ハラオウンは驚いているようだ
それはそうだろう、日頃から名前をいやらしく囁かれていたのだ
それが急にさん付けになったのだから驚くのは当たり前だ
まぁそれは一般の人達に該当するのであって俺には該当しない
名前で呼び合う友達などそもそもいないし、昔はそれこそいたがこの『急にさん付けになる現象』が続いたためそんなことでは驚かない
最終的には苗字まで呼ばれなくなる始末だ
だが逆説的に考えれば俺はとても敬われているということになる
名前を口にするだけでも恐れ多いということだな
従ってこれにどんどん拍車が掛かれば俺は将来仏になれるな・・・・・・なれない
何この悲しい現象……
「俺、何か変な事行ったかな?」
「今までのお前がおかしかったからそれが普通に思ってたんだろ」
「あ〜、確かに。今思い返すと相当痛かったな、あれ」
昔のことを思い出してそれだけで済むのなら聖はまだ軽症だ
俺はというと布団に潜って叫ぶか、寝転がって高速ゴロゴロをしなくては気がすまないほどに黒い過去しか持ってないのでかなり重症だ
「そういえばハラオウンさんはなんでここに?」
「飲み物を買いに来たんだけど、ここで飲んで行こうと思って」
そう言う事なら仕方ない
俺は一瞬次はどこで飯を食べるか考えてしまったが、ハラオウンのようなケースは稀だろう
ならば考える必要はない、俺の平穏は保たれる
なぜ俺がここまでこの事に敏感なのかというと、まぁーあれだ
カブトムシとかカナブンって樹液にすぐ集まるだろ?
別にそんな引っ付きあって蜜吸わなくても他にもっといっぱいあるというのに
他にはあれだな、朝の通勤ラッシュの時の駅の自動改札とかだな
他のところが空いてるのに何故か1箇所の改札に群がるんだ奴らは
何を言いたいかというと、ハラオウンという至高のハチミツまたは改札が俺のベストプレイスを頻繁に訪れるとなるとそれを嗅ぎつけたカナブン共がわらわら寄ってくるということだ
俺にとっては迷惑極まりない上に立ち退きを余儀なくされる
ボッチに人権などないので気づかれる前に撤収するわけだ
皆のために俺が最大限の配慮をする、何これ俺がいい子すぎる……
「横、座ってもいいかな?」
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