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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第二十一話 謁見、二つの王道
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ガルの研究所から〈カギ〉を奪ったな? それをこちらに渡せ!」




/Fay

 やっぱり王様は知ってたのね。知っててわたしたちとの面会をくり上げたのね。わたしから、正確にはエリーから起動キーを奪うために。わたしの、エリーの、クレインさまの訴えなんて、最初から聞く気なんてなかったんだ。

「フェイ……」
「ダイジョーブ。なんとかする」

 縋ってきたエリーの手をきつく握り返す。そうしたのは、わたしも縋りたい部分があったから。やっぱり「エリーゼ・ルタス」だから。正史ではフェイとお姉ちゃんの姉さんになってくれたエリーゼだから。

 でも、「エリー」にそれを求めちゃいけない。

「あの兵器はあなたには扱えません。あなただけじゃない、どんな人間にも、大精霊にだって」
「あくまで渡す気はないということか」
「ありません。あなたに限らず、誰にも」
「では」

 ウィンガルさんの目が向いたのは、アル。

「あなたにカギの在り処を聞くとしよう」

 みんながアルに注目した。――がんばって、アル。この局面はアルに懸かってるんだよ。

「さっき入口で兵士に預けたヌイグルミの中だ。持って来てもらえば分かる」

 ウィンガルさんがすぐに兵士さんを呼びつけた。

 キンチョーする。心臓がバクバクいってて気持ち悪い。でも、やる。できる。自分に言い聞かせて。
 できなきゃいけない。守れなきゃいけない。ミラさまならここで絶対みんなを守り抜く。だから、今「マクスウェル」をしてるフェイも、やるんだ。
 たとえ、テキが、王様――ガイアスでも。

「さて、あなたたちはもう用済みになってしまったが……陛下が精霊マクスウェルを得たとなれば、反抗的な部族も従わざるを得ない」

 謁見前にいた兵士さんがティポを持ってきた。今だ!

「エリー、呼んで!!」
「ティポ!!」

 ティポが兵士さんに強烈ヘッドバット。うわー。兵士さん、頭押さえて悶えてる。

『今の内だー、逃げろー!』

 エリーがティポをキャッチして逃げたのを合図に、みんな動き出した。
 わたしは、追っかけてくる兵隊さんを足止めするのに床全部を凍らせてから、みんなを追っかけた。
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