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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第二十一話 謁見、二つの王道
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も相手はあのガイアスで、ここは味方のいない外国。そうなるのも肯ける。

 そのクレインの変化に気づいたフェイリオが、クレインに声をかけようとした。
 ――させるか。
 反対側からフェイリオの肩を抱いてこちらへ引き寄せる。

 フェイリオ、そんな懇願するような目で見ても無駄だぞ。私の目の届く範囲でお前をクレインに近づけさせると思ったか?

 イスラの診断通り、フェイの虹彩はどんどん菫色に近づいている。ラルをより強く感じる。その時が近づいているんだ。もうクレインに近寄らせて許す理由もない。

 肩を離しても、フェイはクレインに話しかけようとはしなかった。分かってるじゃないか。

 さて、次は。

「アルヴィン」
「あ?」

 ガイアスとの会見が悪い方向に転がった時のために、ここア・ジュールの密偵も兼ねていたアルヴィンと打ち合わせをしておく。事が起きてア・ジュールに付くか我々に付くかは、君の自由意思に委ねよう。カラハ・シャールの時の意趣返しだ。




 我々が謁見の間に入って待っていると、ジャオが玉座への階の前に現れた。

「おっきいおじさん」『何でここにいるのー?』
「わしが四象刃(フォーヴ)が一人、〈不動のジャオ〉だからじゃ」
「『フォーヴ?』」
「ア・ジュール王直属の4人の戦士です。あの方がその一人だったとは……」

 解説するローエン自身も、クレインもイバルもエリーゼもまじまじとジャオに注目している。私とフェイ、アルヴィンは知っていたので、特にコメントはない。

「その四象刃(フォーヴ)とやらが、どうして被験者の一人に過ぎないルタスにちょっかいを出してくるんだ」
「ティポ――新型増霊極(ブースター)の適合好例だからだろ。ラ・シュガルの〈クルスニクの槍〉みたいなもんだ。アレの開発が大局を左右すんだからな」

 エリーゼが悲しげに俯く。

 アルヴィンが答えた責任を感じてか、エリーゼに手を伸ばす。
 が、その前に、エリーゼの頭に、イバルがぐわしと手を置いた。

「ひゃ!?」
「肝心の王に会う前から士気を落とすな。呑まれていては、己の境遇を訴えるなどできんぞ」
「い、言われなくても分かってますっ」

 イバルがストレートにミラ以外を励ました。雪でも降るのでは……もう降っていたか。
 と、そうこうしている内に。お出ましだ。

 奥から現れた二人の男。どちらも見覚えがある顔だ。
 片方に至っては鎧具足こそ別物だが、見誤るはずがない。生涯でビズリーと並んで最強の敵だった男。

「我が(あざな)はア・ジュール王ガイアス。よく来たな、マクスウェル」

 玉座のガイアスの視線は一直線にフェイリオ――「精霊の主マクスウェル」に向かっている。

 フェイリオは裳
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