“渇き”の乱入
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でさえそれを感じたか眼を細めている。
テイルレッドは俯き微動だにせず、この結果を憂いているか剣をだらりと下げている。
そしてゆっくりと顔を上げて……
「礼を言うぜ」
「何?」
にやりと笑った。少し嬉しそうに、にやりと笑ったのだ。
その顔には、絶望など全くない。
「もう憂いも何も無い、あいつ全力で戦える」
「な、何言ってんのよあんた!? アイツには勝てないの! 何をやっても無駄なのよ!?」
「違うぜブルー、無駄なんかじゃない……こいつ等がこうやって奪いに来たって事はだ、ツインテール属性は世界中に芽吹いていて、且つソレは紛れも無い本物だって事なんだ」
実の所、テイルレッド……総二が恐怖していたのはツインテール属性が奪われる事の他にもう一つあった。
それは、一時的に膨れ上がったツインテールブームが、ある時を境に急速に低下していかないか、といったことであった。
人気なのも今のうち、またマイノリティな、マイナーな髪形として廃れていき、殆ど見なくなってしまう……好きな物が見れなくなってしまうのが、総二にとっては何より恐ろしく、不安だったのだ。
しかし、属性力が芽吹いていれば話は違う。
ツンテール属性が芽吹いているという事、ソレは即ちツインテールを本気で好きになってくれた人が大勢居る、そういう事に他ならないのだ。
「今日ここであいつを倒せれば! ツインテールがメジャーになって得して終わる! 万々歳だぜ!」
テイルレッドの言葉で場に沈黙が走り、その沈黙を破ったのはテイルブルーのの笑いだった。
「………ぷ、あはははははは!! あんたホントにツインテール馬鹿ね! いや、本物の馬鹿よ!」
「馬鹿で結構! 俺は好きな物に一直線で向かっていくだぜ!」
希望を得たからか、思い込み強く向き合ったからか、テイルレッドは自身の中から大きな力がわき上がっているのを感じた。
「俺は俺の愛するものの為に戦う!! 世界が如何だの、そんな事は関係ねぇよ!!」
「己を、信念を貫く事、ソレを真に望むか! テイルレッドよ!!」
「ああ! 俺のツインテールはこの地球を―――」
「はーっはっはっはっはあ!! そこまでにして貰いましょうは幼女好きの変態さん!!」
「なんででてくんだよおおおおおっ!!??」
「自己紹介しながら出てくんじゃないわよぉオオオッ!!!」
話している内容自体は兎も角、中々に盛り上がってきて此処だ! と言った所で……予想外の場所から予想外な横槍を入れられて、ツインテイルズは大きく叫んだ。
何者かとドラグギルディは律儀に
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