“渇き”の乱入
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間を持ったようだな、テイルレッドよ」
「ああ、最高の仲間だぜ」
しみじみ言うドラグギルディへ、テイルレッドは一瞬全く持って共感できないと言わんばかりの表情するが、すぐに内なる高揚感に負けたか不敵に笑んで見せる。
中二病の母にして、ツインテール馬鹿の息子あり、と言ったところだろうか。
そもそも、一方的な殴打を見て何故そんな言葉が出てくるのか、是非知りたいものだ。
「どれだけ打ちのめされようとも、ときには世界まで超えてくる強さ、見事なモノだ……だがしかし!! 如何なる輝きを持とうとも、覆らぬ闇もあるのだ!!」
ドラグギルディが咆えると同時、遠方からモケェーーーーッ!! という御馴染の戦闘員の声が聞こえてきた……が、その声は地鳴りの如く響き渡り、その数は黒い海と見間違えるほど余りにも多い。
本気で属性力を奪いに来ているのだと、その光景が嫌でも分からせてくる。
『何という数……総数は千体を超えています! 少しでも気を抜いたら一気に飲み込まれてしまいますよ!』
何時の間にキャットファイトを終えて安全地帯まで退避したのか、通信機越しに送られたトゥアールの声がテイルレッドとテイルブルーの耳元で響いた。
「よし! 愛香、ドラグギルディは俺が引き受ける! きついと思うけど、戦闘員達を頼んでいいか!?」
「……わかったわ、そのかわり絶対に勝ってきなさいよ。じゃないとネットである事無い事晒してやるんだから」
「そりゃ負けられない、絶対に勝たないとな!」
軽口を叩きながら武器を生みだして構え、テイルレッドはドラグギルディへ、テイルブルーは戦闘員の海へ走り出した。
正に、その瞬間。
「えっ?」
「はっ?」
彼等が思わず呆けてしまうほど、それ程脈絡なくいきなり視界に映っていた黒い海が、一瞬で大きく真っ二つに割れた。
『ア、戦闘員が一気に……そ、総数が千二百五十体から六百体前後まで一気に減った!? どういう事!?』
「な、戦闘員の軍隊が!? 何が起こったのだ!?」
「ちょ、トゥアール!! 一体何が起こっているのよ!!」
『分かりません!! 此方でも何が起こっているのか見当がつかず―――』
「おい! またごっそり減ったぞどうなってんだ!?」
『い、今ので六百から二百五十体前後まで……いや、百体、いや消えっ、全滅した!? どうなっているんですかぁっ!?』
そして真っ二つに割れた現象からわずか数秒で、黒い海は後型も無く消え去ってしまった。アレほど大地を揺らしていた叫び声も、今は
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