Episode33:負けられぬ戦い
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を出すことはできないだろう。だが今この場に限って、それは関係のないことだった。
隼人が証明するのはこの魔法であの一条将輝に挑み、打ち勝ったという事実のみ。
「くっ!」
隼人の氷柱の一つが爆裂によって砕け散る。これで両者の残り氷柱は三本。会場のボルテージは最高潮に達した。
互いに譲れぬモノがある。だからこそ二人は吼えた。
氷柱が爆散し、緑光に焼き尽くされる。互いに残り二本。
将輝の放った圧縮空気弾が隼人の張ったファランクスに遮られ、隼人が撃った炎弾が将輝のエア・ブリッドに撃ち落とされる。
攻撃を仕掛ければ防がれ、反撃に移れば叩き落される。フィールド場には幾つもの魔法の軌跡が光として残り、それはすぐ様フィールド全体を覆い尽くす。
炎弾と圧縮空気弾のぶつかり合いによって巻き起こった爆風によって視界が塞がれるが、二人は自身の標的を見失う事はなかった。
煙を吹き飛ばしながら爆裂とフォノンメーザーが放たれ、そして互いの氷柱は残り一本となった。
☆★☆★
「…なんつー試合だよ」
今まで呆然としていたレオが、放心気味にそう漏らした。これは全員の総意であったらしく、皆が皆頷いてみせる。
「…流石にこれは予想以上だ」
達也にここまで言わしめたのだ。この試合がどれ程高度で、そして白熱したものなのかが分かる。
これまで隼人が魔法を使っている所をあまり見たことがないレオ達の驚きようは当然だと言えよう。
「しかし、あの炎の弾丸は一体なんだったのでしょうか…? 火種もなく燃え続け、氷柱を抉るなんて」
「それは俺にも分からないよ。恐らくは俺たちの知らない古式魔法かなにかなんだろうな、現代魔法であれを再現するのは不可能に近い」
達也ですら知らない魔法。未知のものとはそれだけで人に言い知れない不安を覚えさせるものだ。
だからそれを扱う隼人に、少しの恐れを抱いてもおかしくはない。思わず不安げな表情を浮かべたほのかだったが、隣に座る雫や、その隣にいるエイミィにそんな表情はなかった。
「まったく、隼人ったら雫の魔法ばっかり使って! ちょっとは私の魔法も使いなさいよ!」
「ダメだよエイミィ。隼人は私の為に勝ってくるって言ったんだから」
そりゃ好きな人(片方はまだ否定しているが)を恐れるはずはないだろう。ほのか自身がそうであるように、彼女らもまた、隼人の事を信頼しているのだ。
(隼人さん、頑張ってください!)
「いいじゃない! 減るものじゃないでしょ!?」
「そういう問題じゃない。これは気持ちの問題だから」
そしてどう
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