暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
Episode33:負けられぬ戦い
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二人が動き出した。

将輝が拳銃タイプの特化型CADを氷柱に向け、隼人が漆黒のグローブに包まれた左手を掲げ伸ばす。

魔法式が投射され、魔法が発動ーー

「っ!?」

驚きの表情を浮かべたのは隼人。
将輝の魔法は彼の予想よりも早く、そして大規模な振動となって隼人の陣地を襲っていた。

発動しようとしていた魔法を破棄し、自陣の守りを固める為に氷柱12本全てに情報強化を施し、そして反撃に移る。

将輝が事前に隼人対策として紫道聖一に教えられた作戦は極単純なものだ。
隼人に反撃の間を与えず、手数と種類の多さで押し切る。いくら隼人の防御が堅牢だとしても、系統化された現代魔法四系統八種、その全てを駆使しての攻撃は防ぎきれまい。
しかし、その作戦の難度は規格外のものだ。そもそも将輝の得意とする魔法は発散系統のもの。勿論CADもそれ用に特化してある。故に将輝は、特化型CADと汎用型CADの同時操作が余儀なくされた。

CADの二機同時操作自体が高難度であるのに加え、扱う魔法は八種類の系統で更に枝分かれしている。必然的に、将輝にかかる負担は尋常ではないが、流石は魔法の名家といったところか。時折表情を歪めるものの、演算自体に狂いはなく魔法は正常に発動し、隼人を襲っている。

反撃に移ろうにも将輝の攻撃の苛烈さに防御を疎かにすることはできない。その事を瞬時に判断した隼人は、情報強化の上から更に氷柱の周囲をファランクスの防壁で覆った。

ファランクスとは四系統八種、全ての防壁を同時に展開させる多重防壁魔法。直接氷柱に魔法をかけない限り、将輝の放った魔法はその全てを悉く阻まれるだろう。持続時間が短いという欠点も、『ループ・キャスト』 というシステムで補っている。

更に、氷柱そのものに魔法をかけたとしても隼人の尋常ならざる干渉力を以て付与されている情報強化によって生半可な攻撃は全て無に帰される。

それは正に鉄壁。いかなる攻撃も通さない堅牢な城壁。
だが、一の名を冠する者はそれを打ち破る術がある。
ならば、守りに徹するより少しでも相手の攻勢を緩める為に何か仕掛ける方が得策。

(ちょっとアンフェアかもしれないけど、まあ仕方ないよね。これが俺の魔法なんだから…!)

並列思考がフル稼働を開始する。ファランクスと情報強化は汎用型CADに任せ、残る十六の並列思考を以て敵陣地を蹂躙すべく『想像』を始める。

『想像』が創造され、世界に投射されたのは幾つもの炎の弾丸。凡そ三十の炎弾が、将輝の陣地を襲った。
攻撃に傾倒していた将輝はその反撃に反応できず、前列二つ、中列一つ、そして後列一つの合
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