16話:その男は神童か、悪魔か
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桐山和雄は10-Aエリアを歩き続けていた。辺りは木々で囲われているため暗く、他の参加者に見つかる可能性を考慮して懐中電灯もつけていない。自信の感覚と僅かな星(本物の星なのかはわからないが)の光が頼りだ。
手には武器を持たず、ベルトに銃を挟み、デイパックを担いでいるだけだ。地図は頭の中に完璧に記憶してしまったためデイパックの中に放置されていた。
彼が命を落とすこととなった前回のバトルロワイアルではコイントスで乗るか否かを決め、そして乗った。その結果十名以上もの参加者の命を奪い、激戦の末あと一歩のところで中川典子によって撃たれて死んだ。
だが今回参加した彼は持ち物の大半を没収され、コイントスのように使える物が手元になかった。それならば最初に出会った参加者と同じスタンスを取ろうと思ったが、殺し合いが始まって一時間経っても桐山は誰とも出会えていない。
故に彼は元から無い感情ではなく、理知的な判断をすることにした。
すなわち、その場その場で自身が生き残るための最善の方法を模索し、実行する。
ふと、彼は足を止めた。
視線の先には倒れている小柄の男がいた。年齢は桐山と同じぐらいだろうか。
一瞬何かの罠だという可能性を考えたが、すぐにそれはないと判断した。
男からは、おびただしい量の血が流れていたらしく、辺りには前回のプログラムで覚えた血の匂いが漂っていた。
少し近づけば男の背中から砕けた骨や内蔵が飛び出しているのがわかった。
桐山はデイパックから懐中電灯を取り出して男の周りを照らし始めた。何か、例えばこの男の命を奪った凶器や男の支給品、殺人犯の痕跡等を探しているのだ。
しかし、何もない。
凶器は拳銃などの武器の類いで支給品はおそらく犯人が持っていき、犯人自身はさっさと逃げたのだろう。
桐山の行動方針は、その場その場で一番適切な方法を探すことだ。
故に彼はそれ以上近づかず、懐中電灯で足元を照らしながら、もう固まってしまっているかもしれないが血がつかないように注意してその場から離れた。
【桐山和雄@バトルロワイアル】
[状態]:健康
[装備]:コルトガバメント@現実
[道具]:支給品一式、コルトガバメント@現実、ランダム支給品二つ
[思考・状況]
基本思考:状況に応じて最適の行動をとる
1:元の世界の知人に関しては保留(見つけたら考える)
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