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三つのプレゼントの恋
3部分:第三章
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と笑って言葉をまた返してきた。
「特に決めてなかったんでしょ?」
「うん、まあ」
 実はそうなのだ。デートする前にプレゼントは考えていたがそこまでは考えていなかったのである。自分でも何処か抜けているとは思っている。
「だったらいいじゃない」
 美智子は言う。
「それで」
「じゃあここにするんだね」
 浩二はこう述べた。
「それでいい?」
「私はいいわよ」
 もう美智子の目は化粧品にいっているようである。どうにも気が早い。
「お金持ってるし」
「あら」
 これには拍子抜けした。
「そうなんだ」
「だってあれじゃない」
 くすりと笑って述べてきた。
「信吾君だけがお金払ったら不公平でしょ」
 意外とそういうところはしっかりしていた。かってはミツグ君という存在がいて当然という世の中だった時もあるそうだが今は、少なくとも美智子はそうではないようである。
「それにこれ私のだし」
「いいの、それで」
「いいのよ。そのかわりね」
「うん」
 応えながら何か嫌な予感もしていた。
「選ぶのに協力してくれないかしら」
「化粧品をだね」
「そうよ。まずはね」
 リップスティックを探しに向かった。
「色、何がいいかしら」
「そうだね。まずは」
 あまり化粧品のことには詳しくはないがそれでもそれなりに自分のセンスを生かして相談を行った。それで彼女と化粧品の話をし続けた。話をしているうちに何時の間にか夜になってしまっていた。
「何かあっという間だったね」
「そうね」
 二人は百貨店のイタリア料理店に入っていた。そこでスパゲティを食べながら話をしている。
 この店の色彩は白と赤、そして緑であった。言うまでもなくイタリアの国旗をイメージしている。どうもイタリア料理の店にはこうしたカラーリングの店が多いがこの店もまたそうであった。
 実は二人はこの店に何回か来たことがある。結構馴染みの店であるのだ。
 そこでパスタやピザを食べていた。二人が食べているのはナスとトマトのフェットチーネであった。それをフォークに絡めて食べているのである。
「何かさ」
 美智子はそのフェットチーネを食べながら信吾に声をかけてきた。
「このフェットチーネってあれよね」
「あれ?」
「そう。スパゲティとは全然違うわよね」
「確かにね」
 これには信吾も同意であった。
「何か食感がね」
「ほら、スパゲティってつるってしてるじゃない」
「うん」
「けれどこれは何か柔らかめで。噛めるって感じで」
「そうだよね。何かさ」
 ここで例えてきた。
「乾麺みたいな感じでね」
「そうね、そのままね」
 彼のその言葉に目を細めて笑みを作ってきた。
「そんな感じよね」
「そうだよね」
 信吾もそれに頷く。
「私だからこれ好きな
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