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少年は魔人になるようです
第96話 少年達は壁の高さを知るようです
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「え、エヴァンジェリンさん!?刀子先生!?」

「お久しぶり。ラカンさん相手に卑屈になるのは仕方ないけれど、あまり好ましくは

ありませんね。」

「私は嫌いじゃないぞ?クク、あれもあれで存在そのものが反則だし、姉様と

アリアは理不尽だ。あんな連中、相手にする方が愚かだ。今回ばかりは諦めたら

どうだ?私とて蔑まんぞ。」


ふっ、とエヴァンジェリンさんの目が優しげに笑う。

確かに・・・あの四人を相手にするなんて馬鹿げている。間違っているのかも

知れない。勝てる可能性なんて万どころか億に一つもないだろう。だけど。


「折角の忠告悪いですけど……この勝負、逃げる訳には行きません。」

「へぇ……?」

「オッサンはネギに正面から『戦ろう』言うた。ノワールはんらは何考えとんのか

知らんけど、一応姿見せてくれた。男として認めた証や。ワイかてこのまま黙って

られへんしな!」

「だが、億だろうが京だろうが、一も勝ちの目はない。何も考えていない、

無意味な勝負だ。」

「それでも。」


それでも、父さんの親友とあの人達が認めてくれたんだ。それを、勝ち目がない

なんて理由で諦めて、逃げる訳にはいかない。


「戦りますよ。」

「フ……そう来なくてはな。」

「で、なんで自分らこないなとこにおるんや?愁磨はんとおったんやないんか?」

「ちょっと事情がありましてね……。」


フ、と諦めたように笑う二人。・・・・何があったかは知らないけれど、碌な事じゃ

ないだろうと黙っておく。


「ああ、私達だけではなく、な。」

「主らの修行の手伝いに来たのじゃ。」

「ヘッ!?」


さらに後ろから声がかかって、間抜けな声を出しながらまた後ろを向く。

居たのは・・・思ったよりも凄く大人数。見慣れた皆と、鎧姿の人と、

見慣れない三人――


「お、お久しぶりです、ネギ先生。」

「夕映さん!?」


皆の間から現れ、兜を外したのは最後の仲間の夕映さんだった。

なにやら一緒に来た白肌の、横に曲がり角が伸びた半竜族の人をチラチラ見ている。


「そ、総長。その、何と言ったら良いのか……嘘をついて申し訳ないです。」

「あら、まさか私が知らなかったとでも思っていたの?気にしなくて良いわ。

初めまして、ネギ君。アリアドネー騎士団総長、セラスよ。」

「おうおうおう!俺はメガロでケチな政治家やってるリカードってモンよ!!」

「暑っ苦しいのう……。妾はヘラス帝国第三皇女テオドラじゃ。」

「帝国の皇女様ぁ!?」


セラスと名乗った人に続き、初対面の人が自己紹介を始める。


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