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少年は魔人になるようです
第96話 少年達は壁の高さを知るようです
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バチバチバチバチバチィ!!
「おわわわ!握りきれてねーじゃん!?」


『千の雷』を固定するも、固定しきれず周りに紫電が奔る。

千雨さん達が騒ぎ急いで僕から離れるけど、あっちを気にしていられる余裕はない。

『双腕固定』の要領で何とか固定して行き、段々と奔っていた雷が小さくなる。


「ぐ………!」

「も、もーちょいやで!キバレや!!」

「か、ぐ、ぁあああああああ!!」
ガッッ!!

小太郎君の声援に、調整していた魔力で無理矢理『千の雷』を覆い、取り込む!

バチィッッ!
「"術式兵装(プロ・アルマティオーネ)雷天大壮(ヘー・アストラペー・ヒューペル・ウーラヌー・メガ・デュナメネー)』"……。」

「お、おぉおお……それが見せたかったって奴か?先生。」

「はい。『千の雷』を取り込んだ、新しい術式兵装です。」

「成程、考えたなアニキ!」


僕の周囲、ちょっと離れた所に皆が安心半分恐怖半分で集まる。

まだ御しきれずたまに放電してしまうから仕方ないんだけれど・・・完全に制御し

切れれば『雷の暴風』では成し得なかった"完全雷化"となれる。


「考えた……って程でもないよ。上位の魔法ってより高い適正が欲しいでしょ?

つまり、より強い魔法を取り込めばその現象に近くなれるって事なんだ。」

「ほぉー、成程。つー事はお前、風とか光になれるんか?」

「風にはなれるかもだけど……光は無理だよ。だって『闇の魔法』だよ?」

「お、おう、そうか。あんまり便利そうだからすっかり忘れとったわ。」


そう、『闇の魔法』で光属性を取り込む事は不可能。正確には術式兵装までする事が

出来ない。一度光の矢一本で試してみたけれど、文字通り光になるところだった。

そもそも構成物質・・・って言うか物質かどうかも分からないものを固定出来る訳が

ないんだよ・・・。


「せやけどこれであの人らに勝てるんやないか!?使う魔力十倍なら出力も

十倍上がるやろ!」

「う、うん、いける、かな!」

「エヴァンジェリン使用の魔法の上、雷化!行けるぜアニキ!」


皆が口々に勝てるかもと言ってくれるから、僕も行けるような気がしてきた。

そう、あとはこれを完成させられれば―――


「いいや、無理だな。」

「だ、誰でい!折角のアニキのアイディアにケチつけん、の、は………。」

「『こんな物では勝てない』と顔に書いてあるぞ、ネギ・スプリングフィールド。

自身が信じ切れていない事を仲間に賛同して貰って安心を得ようなどとは……。」


内心の不安を見抜かれ、声の方を見る。暫く見なかったその姿は―――



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