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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
悪夢-ナイトメア-part1/狙われた姫
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ルイズたちが妖精亭で働いている間の、ある日の夜、オルレアン家の屋敷。
タバサはキュルケと一緒に自室で眠りについていた。キュルケはあまり寝つけずに、自分の傍で眠っているタバサの寝顔を見つめていた。
眼鏡をつけていない時の彼女の顔はあどけなく、過酷ないばらの道を歩み続けているとは思わせない。でも実際には寂しくて、悲しくて、ただひたすら傷を負い続けてきた。両親を現国王である叔父に奪われ、娘である彼女も遠回しに殺させるために危険度の高すぎる任務を与えてこき使われ続けた。
タバサがガリア王家から受け続けていたという、高難易度の任務。翌日はその詳細についてガリアの首都『リュティス』の宮殿の一角、『プチ・トロワ』で明かすということで、早いうちに出発することになっている。もしかしたら自分は死ぬかもしれない。でもペルスランからタバサの秘密を聞き、あんな悲しい意味で波乱万丈な人生を歩んできた友達を見過ごすことは、キュルケにはできなかった。
「…さま……母様…」
ふと、眠りについていたタバサの口から寝言が聞こえてきた。
「…だ、だめ…母様…それを飲んじゃだめ…!!」
額が汗ばんでいて、眠ったまま母を呼び続けているタバサ。母の心が壊れてしまった、あの日の悪夢を見ていたのだ。もしかしたら、今回よりも前に同じ夢を見続けていたのかもしれない。キュルケはそっとタバサを抱きしめると、その抱擁感に安心を覚え、タバサはようやく静かに寝息をたてはじめた。
「微熱の私が、いつだってこうして温めて、溶かしてあげる。だから安心して眠りなさい。『シャルロット』」
慈愛にあふれた母が娘を思い、あやすように、キュルケは優しくタバサの頭をなでながら呟いた。この日のタバサは、悪夢から一転して良い眠りについたことだろう。
だが、二人は知らない。悪夢によって苦しめられているのはタバサだけではなかったことを。




全てが闇に染まった空間の中、アンリエッタはウェールズと向き合っていた。ずっと会いたかった愛しい人との再会。普通なら喜ぶべきなのだろう。しかし、どうして?なぜ、嬉しいという気持ちよりも……『不安』と『恐怖』が強烈に勝っているのだろう。
どうしてウェールズは、あの時と同じ笑顔を…愛情のこもった眼差しを向けてくれず、死人のような目でこちらを見ていた。
「けど、僕は不安だった。いずれ君と僕が引き裂かれる現実が来るのではと思うと…その不安を口にすることさえ怖かった。君にまでその不安まで背負わせたくなかったから…」
淡々とした口調で言うウェールズ。もうあのときには、ウェールズはすでに勘付いていたのかもしれない。どんなに足掻いたところで、自分とアンリエッタは決して結ばれることはない、と。だから、愛の言葉を口にできなかったのだろうか…。
「でも、君は僕を裏切った」
アンリエッタは耳
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