悪夢-ナイトメア-part1/狙われた姫
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を追い詰める。
『ともに世界を手に入れたかったよ…ルイズ』
『い、いや…来ないで…』
怯えて尻もちをつくルイズに、一歩ずつ、詠唱しながら近づいていくワルド。今唱えている呪文は、風のスクウェアスペル〈ライトニングクラウド〉。その気になれば、雷によって人を灰に変えてしまう恐ろしい魔法。
「止めて…お止めなさい、ワルド!!」
その叫びもむなしく、アンリエッタの目の前で…教会はワルドの起こしたライトニングクラウドによって破壊された。その中にいた…ルイズもろとも。ルイズが炎の中に消えていくさまを、アンリエッタは言葉を失い、ただ見ていることしかできなかった。
そして、再び周囲は暗い闇の中に染まった。
一方、突如鏡の世界から襲ってきた異形の存在を追ってきたサイトは、ゼロに変身し城の中への侵入に成功した。場所はエントランス。近くには二階へ続く大きな階段がある。
城の中は、不気味なまでに静まり返っていた。サイトとゼロ、二人ともこの静けさに微々たるものの恐怖を抱く。
(真夜中の学校みたいで怖いな…そこに立っている甲冑とか今にも動き出しそうだ)
ゼロ…正確にはサイトは城の廊下の角に立っている兵士の甲冑を見る。ファンタジーの世界で登場する古い城などには、よくあのようなものが廊下に立たされている。
さて、さっきの奴は果たしてどこへ行ってしまったのか。ゼロは周囲を見渡しながら、暗闇に先ほどの敵がいないかを探る。ウルトラ一族の透視能力は、暗闇に潜む敵でさえも目視できるのだ。
しかし、奴の姿は見当たらない。この場には鏡…映る物がないためだろうか。自ら姿を見せようとせずこそこそと…陰険な奴だ、と二人は思った。
その時だった。ゼロに向けて暗闇の中からさっきと同じ光刃が飛んできた。とっさにバック転して回避するゼロ。光刃は彼に向かって連射されていく。最後の一発をゼロは右にステップして避けた。が、思いもよらぬ位置…背後から光刃が飛んできてゼロの背中に直撃した。
「グア!!?」
左肩に切り傷を負わされ、ゼロは右手で傷を押さえる。どういうことだ。突然背後から飛んできたのはまだいい。しかし、さっきと違って映る物の中からではなく、暗闇の中から両方とも光刃が飛んできた。しかもさっきの異形の存在の姿がどこにも見当たらない。
いったいどこからどうやって奴は攻撃してきている?ゼロは焦りを感じ始めるあまり、冷静さを欠き始めた。だが、考えている間にも、彼に向けて光刃が再び襲いかかり、ゼロの体を切り付ける。
「グ…!!」
身を守ろうにも、変則的で死角を狙って放たれる光刃。一度避けても、避けたはずの光刃がまた戻ってきたように、背中をつく。なぜ避けたはずなのにその直後に攻撃を食らうのか?ゼロは次に飛んできた光刃を再び避けると、その光刃を目で追い始める。
ガキン!
「!!
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