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寄生捕喰者とツインテール
賭け
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る。




(『不快な臭イ……? 何でそんなもんが充満してやガル……?』)

「近距離なら……どうだっ!!」
「!」



 少しばかり間は開いていれども、紛れも無いショートレンジで“風砲暴(ふうほあかしま)”は放たれた。その威力は目測ですら、最初に撃ち放ったモノの倍以上を誇っている。

 グラトニーと比べると大人と子供と言う対比が実に似合う、バスケットボ-ル選手もかくやの高身長であるサーストおも数秒とかからず嵐は呑み込み、後へと破壊の渦を刻み続けていく。


 ……その嵐に嵐の海を映した不気味な色の一線が突きぬけ、天裂くが如く振り下ろされ嵐を切り裂かなければ、勝利となりえたであろう。


 土ぼこりの中から現れたサーストは、傷自体は折っているが軽傷ばかりで碌なダメージは与えられていない。

 姿が一瞬見えたと思えば、サーストは地面を刃で抉って豪快に吹き飛ばし、大仰な目くらましを行った。



「うぅっ……」

「……強烈、痛烈、裂傷を負う程強いな。だが、これだけじゃあ足りん」



 言いながら横へ振り抜いた剣の輪郭が再びぼやけ、次に振られた時には刀身の長さと幅が十数倍以上も膨れ上がっていた。

 なのにガスで出来ているかのように猛烈な速度で刃が迫ってくる。



「う、わっ!! くぅっ!?」

『あーもうこんなろウガ、一々厄介な能力ダナ!!』



 飛びあがって避けたのを狙ったか剣の一部が煙になり、そこからグラトニーの体を超える長さの刃が付きだされてくる。
 それは咄嗟に思いっきり後ろへエビ剃ってかすらせるだけに止めた。


 ラースが怒鳴るのも無理は無い。何せ現時点で分かる情報をもとにすれば、サーストの力は恐らく“剣を煙状に変えて射程や数を変える”力なのだろう。

 どれほどまで長さを変えれらるかは分からないし、煙の効果範囲も不明だが、煙が巻かれている部分なら何処からでも飛び出てくるので、コレは確かに相当厄介な力だ。

 グラトニーの能力は“空気を取り込み性質を与えて放出する”力であり、協力と言えば強力なのだが撃ち放たねばならないので近距離には能力で対応できず、それと比べれば中・近距離に対応でき威力も高いサーストの能力は断然使い勝手がいい。


 しかし、それでもまだ不明な点があり、ラースはその訝しさに頭を悩ませている。



(『ただ煙から剣ヘ、剣から煙へ変えてんナラ、さっきから漂ってやがる変な臭いは発生しない筈ダゼ……一体何なんだよこの不快感ハヨ』)



 サーストが何かを斬る度に漂う不快感を煽ってくる臭いだ。

 しかもそれだけでは無く、開始早々グラトニーを左右から襲った『謎の圧力』の正体も依然つかめていないの
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