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寄生捕喰者とツインテール
賭け
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の質問として口にする。



『二つ目、ならなんで自分の前に居るのかを問エ』

「……じゃあ、なんで自分の前に出てきた……?」

「野暮用と、言うべきかもな。個々、個人につき、お前には他人事かもしれないが」

「……そ」



 まだ内容自体は分からないが、どうやらグラトニーへ野望用があって、目の前に降り立ち邪魔をしてきたらしい。



「……エレメリアン、倒されるかも……よ?」
「心配には及ばない。ここから先に居るのはお前以上の虚弱、弱者、そして斜に構えている馬鹿だけだ。神速、迅速、高速、すぐにカタはつく」
「………」




 言葉だけ聞けば傲慢にも程があり、また虚言の疑いも持ったのかもしれないが、先の小競り合いを考えると実力は確かに文句は無い。

 それにグラトニーとて、強くても倒せない相手では無いという、そのレベルの実力を持った奴がこの先に居るのだから。



『三つメダ……野暮用ってのは何なノカ』

「……野望用って、何」

「そうだな……答えてもいいが」




 言うが早いか、脈絡も無く剣を……いや右手を振り上げた。頂点に達した瞬間、剣の輪郭が僅かにぼやける。



「それには、俺を倒す事だ。どの道、確実に食料を得るなら、俺はお前に剣を振り降ろす」
「……なら、お前も喰う!!」
「実力差を見ても引かないか……豪勇、勇気、気迫が違う。いくぞ」



 行くぞとは言うが、剣は違うの時点で既に振り下ろし始めており、グラトニーは空気の噴出でそれを避けて、再び右足から後方目向けて射出し一気に詰め寄る。



「るぁぁっ!!」
「っ!」



 何時の間にか開かれていた吸気口から逆に空気を放って加速させ、メインウェポンである左腕での拳撃を命中させた。

 サーストも流石に無傷とはいかない様で、威力に押され数m後ろにずれた。


 離れては駄目だ、そう考えたのかグラトニーは思いっきり懐に飛び込んでのインファイトに持ち込み、右へ左へ拳へ足へと、次々に攻撃を命中させていく。

 だが、辺りに響き渡る痛快な打撃音とは裏腹に、サーストは殆ど傷を負ってはいない。

 それもその筈、彼は全てを防御している訳では無く、時折カウンターの様に左拳を打ち込んで相殺しているからだ。

 しかもグラトニーの取り込んだ空気を利用しての、単純ながら恐るべき加速による連続攻撃を、たったの左腕一本で。

 グラトニーは何時もの様な手抜きでは無く、全身全霊で攻撃しているのも関わらず、この体たらく……対応しきれないか当たってはいるが手ごたえが薄く、この時点でどれだけ実力差が離れているのかを、グラトニーはまざまざと思い知らされる。



「オオォ
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