第五章
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っている有美だった。
「それで高くついたって」
「何だったのよ」
「ケーキ食べ放題」
今度は苦笑いを浮かべて述べた。
「それだったのよ」
「ケーキ食べ放題ね」
「そうよ。山月堂の喫茶店であるじゃない」
「ああ、あそこね」
「あそこなの」
女の子達もよく知っている喫茶店であった。本来は和菓子屋なのだがケーキもやっているのだ。とにかく美味いので評判になっている。
「あそこでケーキを奢ってあげて味方につけてね。それでなのよ」
「手が込んでるわね」
「本当に。よくやるわよ」
「妹さんを味方につけておいたら今度何かと頼りになるじゃない」
そう言ってまた楽しそうな笑顔になる。
「だからよ」
「まあ確かにね」
「相手の身近な人が味方だと心強いわよね」
「この電車のここってことを教えてもらったのはチョコレート一枚」
またお菓子であった。
「それで話がついたわ」
「それで高くついたの?」
「結構安いじゃない」
「何言ってるのよ。山月堂の特製ケーキよ」
このことも皆に話すのだった。
「あれ。高いじゃない」
「ああ、あれね」
「カカオもお砂糖もミルクも特別に選んだあれね」
「一枚三百円だったかしら」
「電車の場所を教えてもらうには高いでしょ」
「それだとね」
「確かに」
皆有美にここまで言われてようやく頷くのだった。言われてみれば確かにそうであった。どうもかなり現金な妹さんであるらしい。
「それで教えてもらったのよ。中には妹さんもいるわよ」
「成程」
「手引きもしてもらってるのね」
「完全にグルなのね」
皆彼女とその妹さんの関係をまた言う。
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