第四話〜契りの指輪〜
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「ん、、、。ここは?」
目を覚まして、目に入ったのは少し錆びれた天井。体を起こすと水銀燈も横で倒れていた。
「水銀燈?大丈夫?」
体を揺らして彼女を起こす。ゆっくりと起き上がり、水銀燈と辺りを見渡す。
「ここは、めぐの病室?」
窓の外には白い景色だけが映っていて、部屋の中には大きなベッドと棚、そして鏡と洗面台がある。ここは彼女の世界。316号室だ。
「どうやら無事にこれたようね。」
「うん、、、。でもめぐは?」
「いるんじゃない?あのベッドに。」
水銀燈はベッドを指さす。僕は少しづつベッドへと歩み寄った。ベッドはシーツがかかっていて、膨らんでいる。
「めぐ?」
僕は恐る恐る、シーツをめくろうと手を伸ばす。
「がおーー??」
突然の大きな声とシーツがめくりあがり僕の体はビクついた。舞い上がったシーツがはらはらと落ちていき、その声の主が姿を現す。
「何てね?ふふ、びっくりした?」
生きていた時よりもまともに会う回数が多いというのも変だが、いつものパジャマを着ためぐは笑顔で僕らを迎えてくれた。
「まったく、死んでから元気になっちゃって。今日は二度目ね、めぐ。」
「ええ、そうね。」
にこやかに笑うめぐと目が合う。脳裏にはあの別れのつもりで言った告白。また思い出して、すぐに僕は目を逸らしてしまった。めぐはそんな僕をおかしく思ったのか、少し微笑んだ。
「ふふ、また会っちゃったわね。紫苑。」
「う、うん。」
「、、、、、、、、、。」
しばらく、沈黙が続いていた。やっぱりめぐもあの事を気にしてるのだろうか。そのうち耐えきれなくなった水銀燈。
「ああ??もう!何やってんのよ!言いたいことがあるんでしょう??めぐも紫苑も!」
その言葉で僕は、はっとして本来の目的を話そうとした。
「めぐ、今日来たのは、、、」
「知っているわ。指輪を通して聞いていたもの。」
指輪?僕は指輪に目を向ける。
「貴方の事だから、私に気を使うとは思ってたわ。気にしなくていいのに。私があなたに水銀燈を頼んだのよ?」
「、、、、でも。」
いまいちはっきりしない僕を見かねて、めぐはため息混じりに言った。
「わかったわ、そこまで悩むならきちんとしちゃおうか。水銀燈?」
めぐはベッドを叩いて、水銀燈に合図を送る。水銀燈はそれを見て呆れたように言い放った。どこか嬉しげにも見えたが。
「またアレをやるの?好きね、ホントに。」
水銀燈がベッドの上のめぐの横に座る。
「ほら、紫苑も。」
なんとなく、同じ光景を見たことがある。そう、めぐの記憶を辿った時に。たぶんこれは、、、。僕は言
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