第四話〜契りの指輪〜
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ぐは生きてるのかい?」
そういえば紫苑はそういう世界を知らなかった。驚きを隠せないようだ。
「まあ、人間としての『死』ではあるわね。色々あって精神だけ漂ってはいるだけ。ホント、しぶといわぁ。」
「そうか、まだ、、、。」
少しでも会える見込みが立ったからなのか、紫苑は嬉しそうだった。しかし何かを思い出したような素振りを見せるとみるみる顔を赤くした。
「どうかした?林檎みたいになってるわよぉ?おっかしい。」
「い、いや、何でもない、、、。」
(じゃあめぐへの、僕のあの告白は、、、)
紫苑は溜息と共に頭を埋めたが、理由の分からない水銀燈はいつも落ち着いている彼のおかしな様子を楽しんでみていた。
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最期のつもりだった告白のことを恥ずかしんでいた僕だが、起きたことは仕方がないので、とりあえず考えないことにした。(とは言っても忘れられるわけはないが)今日は話したいことがある。水銀燈をテーブルに呼んだ。
「何よ、珍しく呼び出して。」
「うん、ちょっとね。」
ずっと考えていた。僕は勝手に指輪を嵌めて、形としては一方的に彼女のマスターになったのだ。個人的にその状態に納得がいかない。水銀燈に僕が本当にマスターに値するか聞きたいのだ。
「今更そんなことぉ?何考えてるのかしら。」
「まぁそうだね、今更かも。でもちゃんとしておきたいんだ。契約って大事なものなんだろ?君たちにとって。」
「、、、、。そうねぇ、貴方はこの水銀燈のマスターとしては少しふさわしくはないのかもしれないわね。」
「、、、そっか。」
「でも、」
「?」
「別に貴方の事は、、、その、、、き、嫌いじゃないわ。」
「水銀燈、、、。」
「勘違いしないでちょうだい!、、、まったく、何でこんなに丸くなったのかしらね。自分でも、びっくりだわ。」
すごく、嬉しかった。水銀燈が僕に対してなにか不満を持ってるんじゃないかって思っていたから。めぐと水銀燈の契約は、他の誰かが踏み込んじゃいけないものだから。僕は、二人の中に入りたかった。めぐの意識を感じてからずっと、、、。
(そんなに思いつめなくてもいいのに、、、。)
「え?」
また声だ。水銀燈のじゃない。しかも指輪から聞こえたような、、、。
「どうしたの?」
「また、聞こえたんだ。声が。」
「声?」
「うん、僕の頭に直接流れてくる感じで、優しい声が響くんだ。」
「なに?おかしくなったの?」
「いや、違うよ。ホントなんだ。今は指輪から聞こえたんだけど、、、、、うわっ!」
指輪が急に熱を帯びて輝いた。以前、水銀燈と初めて出会った時のように。その時、感覚的にだが僕は呼
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