Act_2 《オレンジ》
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事を考えるような職は、知恵の無い者には務められない
──相変わらず、レベルの低い奴等だ
自分に向けられる敵意すら、男は涼しい顔で受け流している
こんなことは、日常茶飯事なのだろう
表情が動くことは無く、能面のように一切動きが無い
それに気分を良くしたのは、この場に居たヒースクリフを除く面々だった
「犯罪者」「面汚し」と、各々が好き勝手に喚き散らす
過去に何があったのか
人伝で聞いた知識だろうに──
今は自分たちが納める《血盟騎士団》だから、と
好き勝手な物言いで男へと罵詈雑言を浴びせかけた
「黙りたまえ」
その悪意に満ちる言葉の嵐に、ヒースクリフは静かに、だが力強く命じた
誰もが認める、血盟騎士団の主
そして──ユニークスキル《神聖剣》を持つ、このSAO最強の騎士
ヒースクリフの一声に、その場で罵倒を行っていた者たちは冷水を浴びせられたかの様に黙り込んだ
「さて、早速本題に入ろうか」
無言で金髪の男を見つめるヒースクリフ
それを、ただ真っ向から見つめ返す男
重苦しい会議の場が──今、幕を開けた
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Act_2 《オレンジ》
「ラフコフが?」
その場に居た、数名の幹部"もどき"たちに退室を命じ、
彼──ヒースクリフは、男の対面に座り、事の本題へと弁を移した
「そうだ。あの日、君が壊滅的な打撃を与え、彼らはその活動を停止したはずだった。
だが、その活動は水面下で続けられていたようだ。今も尚、な」
ヒースクリフはそこで言葉をとめ、手元にあった紅茶を口に運ぶ
勿体つけるように、時間は静かに過ぎて行く
暫くして、大きく息を吐き、ヒースクリフは言葉を繋げた
「我々は……いや、私としては、ラフコフの存在を見過ごす訳には行かない
彼らは着実にPKを作り、やがては集団で《報復》を行う可能性もある」
《ラフコフ》──正確には、『笑う棺桶(ラフィン・コフィン)』
PKを生き甲斐とする無法者たちの集まって出来たSAO史上最悪の殺人ギルド
その被害は三桁にまで上るとされ、彼らを討伐する為の攻略部隊まで作られた程である
そして、多数の犠牲者を出した討伐の中で、最も多く敵を仕留めたのが、この男だった
「無論、きみの後釜に座った"彼女"もその報復の対象となる可能性はある」
ヒースクリフの含みのある言い分に、男は一瞬だが顔を顰めた
この男にはラフコフとの因縁がある
嘗て、友を"奪われ"、最愛の者たちに危機を与え、右目すら奪った──最悪の怨敵
そ
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